中日育成3位の精華・松木平優太投手(17)が12日、同校で松永編成部長、山本スカウトらの指名あいさつを受けた。同時に入団交渉も行われ、支度金200万円、年俸300万円で仮契約した。「奪三振王を取りたい」。球団では最下位指名となったが、右腕の夢は限りなく大きかった。

仮契約を終えた中日育成ドラフト3位、精華・松木平優太(撮影・伊東大介)
仮契約を終えた中日育成ドラフト3位、精華・松木平優太(撮影・伊東大介)

昨秋、3年生が抜けた新チームは2年生8人だけで、内野手から投手に転向した。走り込みを中心に体を鍛え、食事量を倍増。入学時163センチ、53キロの体は、現在178センチ、70キロにまで成長し、直球も120キロ台から最速145キロに伸びた。

担当の山本スカウトは楽天岸の高校時代からプロ入りするまでを追いかけた過去がある。「岸も高校1年で体重46キロだった。3年でも70キロそこそこ。同じように肘の使い方が柔らかい。入団して寮生活で体をつくれば2、3年で150キロを投げられる」。細身の体で132勝を挙げた右腕とダブらせた。

楽天岸孝之(撮影・滝沢徹郎)
楽天岸孝之(撮影・滝沢徹郎)

「17年住んだ大阪を離れるのは寂しい。結果を残して支えてもらった人に恩返ししたい」。同居する姉ゆにさん(19)、食事の世話をしてくれる、いとこおばの中井美沙さん(43)らの前でプロの第1歩を踏み出した。(金額は推定)【伊東大介】

◆松木平優太(まつきひら・ゆうた)2003年(平15)2月24日生まれ、大阪市出身。小1でソフトボールを始め、港南中では港ボーイズに所属し内野手。精華では3年からエースナンバーを背負う。178センチ、70キロ。右投げ右打ち。

(2020年11月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)