昨夏の全国高校総体(インターハイ)のサッカーでベスト8に進出し、優秀選手に選出された北越(新潟)の主将、MF加藤雅久(がく・3年)が来春、関東大学リーグ1部の強豪、国士舘大へ進学する。確かな足元の技術、戦術眼を持つボランチはハイレベルな環境で実力を磨き、4年後のプロ入りを目指す。
加藤は大きな志を胸に飛躍を誓った。「不安よりワクワクが大きいです。まずは日本一を大学で達成したい」。豊富な運動量と巧みなパスワークを武器に1年生から北越の中盤を支えた。最後の選手権県予選は、準決勝(3日)で帝京長岡にPK負け。この悔しさをモチベーションに変え、全日本大学選手権、総理大臣杯の大学タイトルを獲得し、全国制覇を目指す。
国士舘大は関東大学リーグ戦1部リーグで優勝9度を誇る名門。今季は後期16節終了時(7日現在)で5位。加藤は9月の練習会に参加した。トップチームとの紅白戦に出場し、プレーや判断のスピード、ボディーコンタクトの激しさなどを肌で感じた。「全てにおいてレベルアップしないと」。部活を引退した今も週5回の筋トレと、1日5食の食事で体力アップを図っている。体脂肪率7%をキープしながら進学に備え、当たり負けしない体作りを進めている。
強豪・青森山田を破り8強入りした昨夏のインターハイでは優秀選手に輝いた。「自信の1つになったし、よりプロを意識した出来事」。北越からプロ入りしたFW有田光希(29=J2愛媛)やDF佐藤喜生(23=J2北九州)らの背中を追う。「小さいころからの夢はブレずにプロ選手。将来は海外で活躍したい」。荒瀬陽介監督(31)も、「4年間かけてじっくり成長できる環境。真面目で努力家だし、たくさんの可能性を秘めている選手」とエールを送る。
普段からボールを奪いに行くタイミングや技術を、海外選手の映像を参考に学んでいる。これからも後輩たちの練習に参加し、大学入学の直前まで実力アップに励む。「練習意識の強度も上げている。進学するまでの5カ月をどう過ごすかが大事。守備の楽しさがアップしてきた」と言う。 新天地での活躍は常にイメージしている。「本職はボランチだが、やれと言われればどこでもやる。早い段階で試合に出て、プロから注目されるようにアピールしたい」。名門で成長することをノルマにした。【小林忠】
◆加藤雅久(かとう・がく) 2002年(平14)10月27日生まれ、上越市出身。小学2年から春日SSSでサッカーを始め、城東中では上越春日FCに所属。北越では1年から公式戦に出場。19年にU-17新潟県選抜として第23回国際ユースサッカーin新潟に出場。170センチ、62キロ。
(2020年11月18日、ニッカンスポーツ・コム掲載)