大幅増ゲットだ! 広島塹江敦哉投手(23)が1日、マツダスタジアム内で契約更改交渉に臨み、今季年俸850万円から1050万円増の1900万円でサインした。チーム2位の52試合に登板し、3勝4敗、チーム最多の19ホールド、防御率4.17だった。主力選手選手とともに1年を過ごし、次世代の広島を背負う投手となる目標を掲げた。(金額は推定)
短く刈り上げられたヘアスタイルからも、来季へ向けた気合が感じられた。契約更改交渉を終えた塹江は、提示額に納得してサインし、新たな決意を胸に刻んだ。「チームの中心選手になることが大きな目標。1軍で活躍している若い選手もいるので、そういう選手たちと強いカープをつくり上げていけるように」。3連覇したときの「タナキクマル」のように、森下や遠藤ら同世代の選手たちで次代の広島を背負っていく覚悟を決めた。
今季初めて開幕1軍入りを果たし、シーズンを通して1軍の戦力として戦った。不安定な中継ぎ陣の中で結果を残し、勝ちパターン入り。フランスアに次ぐ52試合に登板し、3勝4敗、防御率4.17。19ホールドはチーム最多だった。残した数字以上に、過ごした時間に価値があった。「チームの中心となっている選手がチームのためを思って行動しているか、身をもって感じた」。師匠的存在の中崎だけでなく、大瀬良や鈴木誠との会話の中で主軸の責任感や重みを感じた。背中が大きく見えた。
25年ぶり優勝を決めた16年9月10日の巨人戦は、胴上げに加わったが、戦力とはいえなかった。未成年だったこともあり、ビールかけには参加せず、宿舎の自室バスタブで先輩たちから炭酸水かけでお祝いしてもらった。「3連覇のときに1軍に行かせてもらって、強いカープの雰囲気を自分たちでつくり上げていくのがすごく楽しみだし、やってやりたいと思っている」。来季は若手枠の殻を破って次のステージに上がりたい。
シーズンを投げ抜いた体のメンテナンスを終え、体づくりを中心とした自主トレの計画を立てている。今オフに退寮し、1人暮らしも始める。増額更改もあり、すでに家電量販店で約10万円の高級炊飯器を購入済み。ただベスト体重をオーバーしているため、しばらくは食事制限を課す。「自己管理のところも自分でしっかりとやらないといけない」。グラウンド内だけでなく、グラウンド外でも独り立ちを期す。【前原淳】
▽広島鈴木球団本部長(塹江について)「50何試合投げてくれたのは彼の成長。防御率を下げて、勝ちパターンに入れるようになってほしい」
(2020年12月1日、ニッカンスポーツ・コム掲載)