昨秋の近畿大会で8強入りした天理が5日、奈良・天理市内で年明け初練習を行った。
投打の柱は来るべきセンバツ(3月19日開幕)の出場校発表を備えて待つ。センバツを懸けた昨秋の近畿大会では、準々決勝で大阪桐蔭に4-11で敗れ、当確ランプはともせなかった。この試合に先発したのが身長193センチ右腕・達孝太投手(2年)だった。3回に同点とされなお2死から3ランを浴び、2点ビハインドの7回に再び2死から4連打を浴びこの回一挙6失点。7回コールド負けした。「桐蔭戦で2アウトから打たれて守り切れなかったのが悔しかった」。125球を投げ、10奪三振も11安打11失点と悔いを残した。
今冬の達は、球質の向上や中村良二監督(52)も指摘するスタミナ強化が課題。ランメニューに取り組むほか、1日2.5キロの白米摂取で昨秋から体重は4キロ増の約88キロ。試合での球数を減らすことも克服すべき点の1つで、打ち取る投球術を増やすためカーブの精度向上にも取り組む。「あの悔しさを糧に出た課題を克服して、春(センバツ)選ばれたら成果を出したいです。目標は全国制覇。その中で大阪桐蔭に勝つことを達成できたら良いなと思う」。上背があり手足も長い右腕をNPBスカウトも評価し、今秋ドラフト候補の一角に挙げられている。達自身も最終目標はプロ入りで「大学も社会人もプロも良い環境だと思う。監督や親と決めていきたい」とこれから進路を固めていく。
黒縁めがねがトレードマークの4番瀬千皓外野手(2年)も同様に日本一が高校ラストシーズンの目標。近畿大会で目にした大阪桐蔭ナインの体格の良さに刺激を受け、こちらも肉体改造を実行中。就寝前に自分で握った約300グラムのおにぎりを食べるなど間食を増やし、昨秋から6キロ増の87キロ。長距離砲は着々と力を蓄えている。「チームは日本一を目標にやっています。センバツに選んでいただけたら狙います」。近畿地区のセンバツ出場枠は6。29日の発表を待つ。【望月千草】
(2021年1月5日、ニッカンスポーツ・コム掲載)