アメリカで一大ラーメンブームが起こってから5年以上が経ち、最近ではより安価で手軽なインスタントラーメンが注目されていますが、コロナ禍が追い風となり、インスタントラーメンの世界にも本格的なヘルシー志向の波が訪れたようです。
全米では、ステイホームとなる直前の昨年2月23日からの4週間でインスタント麺の売り上げが578%増を記録。今でもインスタント麺の需要は安定して高いままで、その中で誕生したオンライン販売専門のラーメンブランド「immi(イミ)」が話題を集めています。
従来の体に悪いイメージを払拭
イミは台湾系米国人、タイ系米国人の2人が創業したスタートアップ企業で、「低糖質・高タンパク質・高繊維・100%植物性由来」をうたい、「糖質過多で塩分が多く健康に悪い」という従来のインスタントラーメンのイメージを一新。炭水化物の量を従来の約4分の1、塩分も大幅にカットした一方で、タンパク質を約5倍、食物繊維も豊富に含んだものにしているのが特徴です。糖質制限やダイエットに気を使う人でも罪悪感なく食べることができるとしています。
6食パック4000円以上と高額も人気
味は「ブラック・ガーリックチキン」「トムヤム・シュリンプ」「スパイシービーフ」の3種類で、アジアンテーストを大胆に取り入れたスープも特徴の1つ。値段は6食パックが41ドル99セント(約4330円)と高めですが、オンラインで購入できるだけでなく、定期購入割引がある点も若者層にはアピールになっており、昨年12月から始まった登録者向けの事前販売では、1カ月の売り上げ目標をわずか8時間で達成したといいます。
インスタントラーメン業界は世界で420億ドル規模の一大産業と言われていますが、その大半はアジアの大企業が独占しているのが現状。そんな中でイミは、アメリカ発の企業としてイノベーションを起こすと期待されています。
【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】