食事の後、血糖値が異常に高くなってしまう“食後高血糖”。主に肥満が原因で生じ、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞などのリスクが高いことでも知られています。しかし若年で痩身の女性であっても、肥満者と同様に糖尿病などのリスクに注意する必要があるようです。

順天堂大学の研究グループが調査した結果、標準体重者に比べてやせた若年女性の方が、食後高血糖を引き起こす耐糖能異常の割合が顕著に高いという驚きの事実が判明しました。調査対象となったのは18～29歳のやせ型の日本人女性98名と標準体重の日本人女性56名です。

耐糖能異常の割合を調査したところ、標準体重の女性が1.8%だったのに対し、やせ型の女性は13.3%と約7倍高いことが明らかとなりました。これは米国の肥満者における割合（10.6%）と比べても高い率です。

また、体力測定、食事内容や身体活動量に関するアンケートなども実施したところ、標準体重の女性に比べてやせ型の女性は「エネルギー摂取量」「身体活動量」「筋肉量」のいずれも低く、“エネルギー低回転タイプ”であることがわかりました。

さらにやせ型の女性の耐糖能異常について特徴を詳しく調べたところ、これまで肥満者の特徴とされてきた“インスリン抵抗性”が、若年痩身であっても中年肥満と同程度発生していることが判明しました。

先進諸国の中でも日本はやせた女性の比率が最も高く、特に若年女性では“やせ願望”も反映して約20％と極めて高くなっています。太り過ぎも不健康ですが、やせ過ぎも同様に糖尿病のリスクが高いことに注意しましょうね。