留守部隊も声援を届ける。柴田には野球部、陸上部、剣道部のための桜川(おうせん)寮(男子寮)がある。野球部は遠藤瑠祐玖(るうく)主将(3年)ら6選手が同じ屋根の下で暮らす。寮父の国分正雅さん(62)、妻浩美さん(57)が生活をサポートする。センバツ出場に、国分さんは「ビックリしていますよ。秋はすごかった。各県の優勝校を次々に破って『今日も勝ったよ』と言って、立派だと思います」と目を細めた。
今年8月で寮父として満2年となる。以前は、故郷の福島で施工業の会社を経営していた。しかし、年齢とともに、腎臓を悪くした。現場に立つことができなくなり、現在は2日に1回、透析治療を受けている。そのため、病院に通いながら働ける今の職場を選んだ。
住み込みで週6日働く。朝5時に起床。1升の米洗いからスタートする。寮生は12人。朝食を済ませて学校に送り出す。その後は、トイレ掃除やスーパーに出かけて、食材の買い出しなど、仕事は多岐にわたる。「大変ですよ。相手は高校生ですから」と笑う。
1カ月の献立は、あらかじめ決まっている。野球部の選手はどのメニューもおいしく食べる。「1年生、2年生、3年生で顔つきも変わってくる」。現3年生は1年夏からの付き合い。親のような気持ちだ。「悔いのないように(甲子園)で戦ってくれれば」とエールを送った。今日24日はテレビの前で応援する。
(2021年3月24日、ニッカンスポーツ・コム掲載)