全米最大規模のオーガニック・ナチュラル製品の展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」が、3月中旬にカリフォルニア州アナハイムのコンベンションセンターで行われ、今年も世界中から大勢のバイヤーやフーディーが参加しました。3000社以上が出展し、4日間の来場者数は昨年の6万5000人を上回ったと伝えられています。米国市場だけでなく、世界のトレンドを左右すると言われる展示会の模様を、ロサンゼルス在住の千歳香奈子通信員がレポートします。
「免疫」や「女性ホルモン」が注目
今年はアフターコロナを意識した「免疫」に関する商材や「女性のホルモンバランス」を整える製品などが注目され、食品や飲料を中心に、サプリなど健康食品や自然派コスメ、ペット用品、環境に配慮した日用品などが出展。昨今のトレンドを引き継ぐ形で「プラントベース(植物由来)」や「発酵食品」も多数ありましたが、最も目を引いたのは「キノコ」関連の商材です。サプリだけでなく料理などにも使えるキノコパウダーやドリンク、チョコレートなどユニークな商品がたくさん紹介されていました。
代替肉から代替シーフードへ
植物性由来の代替肉はすでに広く認知されていますが、今年は代替シーフードが多く見られました。代替カニを使ったクラブケーキやフィッシュフライなどさまざまな商品の中でもユニークだったのは、100%食物由来の冷凍寿司。見た目も味も普通のマグロやサーモンの巻き寿司と変わりがなく、言われないと違いが分からないほどで、試食した人たちも驚いていました。
ほかにも100%食物由来の餃子や卵製品、ヴィーガンピザやハンバーガー、アボカドオイルを使ったマヨネーズ、チキンナゲットなどの商品が紹介されていました。
畜産福祉に配慮した展示も
一方、会場にはアニマルウェルフェア(家畜福祉)に配慮した畜産に関する展示もあり、平飼い卵や鶏肉、基準を満たした牛肉や加工肉なども多く紹介されていたのも印象的です。
日本食ブームは引き続き
日本食は引き続きブームが続いており、日本貿易振興機構(JETRO)主催の日本パビリオンには、「ジャパニーズマヨネーズ」として人気が高まっているキユーピー、山口県に本社を構える柚子屋本店のアメリカ支店YUZUYA USA、京都の日本茶専門店の六兵衛やオーガニックコットンを使ったタオルなどを扱うNawrapなど8社が参加。他にもスナック菓子や調味料、乾燥シイタケ、抹茶製品などハイエンド市場向けのメイド・イン・ジャパンの商品を集めた展示もありました。
他にも多くの日本食のブースがあり、お好み焼きソースでおなじみのオタフクの実演やフリーズドライの味噌汁、そばやうどん、みそやあまさけなどの発酵食品、大豆ペーストを使ったNINJYA SOUP、米粉などの展示は、試食や試飲を楽しむ人たちで賑わっていました。
韓国食品もトレンドに
また、今年は韓国食品も勢いがあり、スナックとして昨今米国で人気の韓国のりや食物由来のプルコギ、キンバ、キムチ、韓国ヌードルのインスタント麺などさまざまな商品が展示されていました。