暑い夏がやってきますね。運動中だけではなく日常生活を工夫する「食事で熱中症を予防する」ポイントについて、今回から数回に分けてお話しします。

ミネラルの多い食事を意識

熱中症予防のポイントの1つに、水分と共にミネラルを摂取することが挙げられます。水分補給では、水と一緒に塩分(塩化ナトリウム)を取ると良いことは知られていますが、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど、他のミネラルを多く含む食事を意識しましょう。

特に運動前の食事では、筋細胞に多く含まれるカリウムを豊富に含む食品を食べましょう。細胞外液(主に血液など)にはナトリウムが、細胞内液(細胞内の水分)にはカリウムが多く含まれるので、塩分だけでなくカリウムが不足しないようにしたいですね。

生の野菜や果物から効率良く摂取

カリウムは果物や野菜に多く含まれていますが、水に溶けやすいので、生の野菜や果物を丸ごと食べるのがおすすめです。カリウムが多い食材の1つ、バナナを丸ごと食べると、エネルギー源としての糖質と合わせて補給できます。

今回紹介するレシピは「はちみつレモントマト」です。湯むきしたミニトマトをはちみつとレモンであえるだけの簡単レシピです。甘味と酸味のバランスが良く、食欲がない時でも食べやすい1品です。たくさん作って冷蔵庫で冷やしておきましょう。

お弁当のデザート代わりに、保存容器に入れて持っていくのも良いですね。生野菜をしっかりとると、熱中症予防につながります。

参考文献:金子香織ら 食事で熱中症を予防する (特集 熱中症と闘う in 2019 for 2020) . 救急医学, 43(7): pp956-960, 2019.

管理栄養士・金子香織