「食事で熱中症を予防する」コラムの第2弾です。先日行ったアスレシピのセミナーで「牛乳は熱中症予防の効果があるのでしょうか?」という質問をいただいた際、下記の様にお答えしました。

・牛乳は飲み物なので、水分補給になる
・たんぱく質やその他の栄養素が多く含まれるため、運動後の回復に適した飲料である(消化吸収の面から、運動中の水分補給には適していない)
・特に成長期のアスリートは1日3回以上飲んでほしい

牛乳は飲み物なので水分多い

ここでもう少し具体的に説明するために、牛乳の栄養価を見てみましょう(普通牛乳コップ1杯200gあたり)。

エネルギー 122kcal
水分    175g
たんぱく質 6.6g
脂質    7.6g
カリウム  300㎎
カルシウム 220㎎

牛乳には、成長期に必要なたんぱく質やカルシウムが多く含まれていることは良く知られていますが、飲料であるため水分も多く、熱中症予防に必要なカリウムも多くとれることがわかります。
・前回コラム参照:野菜や果物は丸ごと食べよう、運動前はカリウムを/食事で熱中症を予防する(1)

運動とセットで、発汗しやすくなる

また、「ややきつい」と感じる程度の運動を30分以上行い、運動後に乳製品をとることを継続すると、皮膚血管が開きやすく、発汗しやすくなるという報告もあります。そのため体の熱が外へ出やすくなり、熱中症の予防に効果があると考えられています。運動とセットで乳製品をとることが大切ですね。

今回は「簡単ミルクコーンスープ」です。缶入りのコーンクリームと顆粒コンソメ、牛乳をシェーカーに入れて振るだけなので、小さなお子さんでも簡単に作れます。

材料をシェーカーに入れて振るだけ
材料をシェーカーに入れて振るだけ

シェーカーごと冷蔵庫で冷やしておいて、飲みたいときに飲むのもいいですね。

参考文献:
日本食品成分表2021(八訂). 医歯薬出版
能瀬博ら 運動と乳製品摂取で熱中症を予防する (特集 熱中症と闘う in 2019 for 2020) . 救急医学, 43(7): pp942-948, 2019.

管理栄養士・金子香織