「食事で熱中症を予防する」コラムの第3弾です。日常生活での工夫で水分補給を行うことは大切ですが、朝食のメニュー次第で食事からの水分摂取を増やすことができます。

下の図は、ご飯を主食とした日本型の朝食例とパンを主食とした欧米型の朝食例を元に、メニュー、エネルギー量、栄養価、水分量を比較したものです(飲み物、果物は除く)。

エネルギー量はほぼ同じ、水分量が2倍以上

ともにエネルギー量は同じくらいですが、水分量は欧米型が200gなのに対し、日本型は470gと倍以上となっています。これにお茶、コーヒーや牛乳などの飲み物と果物を一緒に食べると、朝食だけで約700gの水分摂取が可能になります。

日本型の食事でなぜ、効率よく水分が補給できるのかというと、以下があるからです。

①主食のご飯の水分
②汁物に含まれる水分
③豆腐、野菜などの食材に含まれる水分など

主食の比較、ご飯や麺類の水分量は60%以上

また次の図は、主な主食に含まれる水分量を比較したものです。ご飯、うどん、スパゲッティなどの麺類はその食品の重量の60%以上ありますが、パン(食パン、フランスパン)は30~40%程度しかないことも分かります。

日本型の食事にはみそ汁などの汁物がつくことが多いですが、野菜などの具材を多く入れた具だくさんの汁物にすることで、食材からの水分も見込まれますし、野菜から流れた栄養素も汁ごととれますね。

「日本型」は食事そのものから水分が摂れる

日本型の食事は、エネルギーや栄養素のバランスが良いだけでなく食事そのものから水分を摂取できる利点があります。特に夏場、熱中症予防のために日本型の食事を見直して欲しいと思います。朝、ご飯が食べにくい場合は、麺類を活用しても良いですね。

今回のレシピは、その麺類を活用した「卵とじそば」です。暑くて食欲がないときに、汁物代わりに糖質とたんぱく質が補給できるメニューです。今回は2人分で、一般のそば1人前の分量となっています。汁は、市販のめんつゆを使っても良いでしょう。

参考文献:日本食品成分表2021(八訂). 医歯薬出版
金子香織ら 食事で熱中症を予防する (特集 熱中症と闘う in 2019 for 2020) . 救急医学, 43(7): pp956-960, 2019.

管理栄養士・金子香織

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