ジュニアアスリートの成長に必要な栄養素の1つに「鉄」があります。「鉄の摂取量が不足すると貧血になる」ということはよく知られていますね。貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が少ない状態です。ヘモグロビンは主にたんぱく質と鉄で構成され、血流を通り、酸素を体の細胞1つ1つに運ぶ働きをしています。

鉄はヘモグロビン以外にも、体内で様々な形態となり存在します。そのうちの1つ、筋肉中に存在するミオグロビンは、ヘモグロビンと同じく主にたんぱく質と鉄で構成され、ヘモグロビンを通して酸素を受け取り、筋肉中に酸素を貯蔵しています。

多くのエネルギーを摂るために

ジュニアアスリートは多くのエネルギーを必要とするため、体内に多くの酸素を運搬する必要があります。また、成長期は血流量や筋肉量も増えるため、より多くの鉄の摂取が必要となるのです。

鉄は多くの食品に含まれていますが、動物性食品に多く含まれるヘム鉄の方が、植物性食品に多い非ヘム鉄よりも吸収率が高いため、効率よく摂りたいものです。ヘム鉄の代表と言えばレバーですが、苦手な人も多い食材です。レバーには、鉄以外にも多くのミネラルや脂溶性ビタミンを含むため、少量でも良いので少しずつ食べられると良いでしょう。

今回紹介するメニューは、そんなレバーを食べやすく味付けした「鶏レバーの煮物」です。流水と湯通しでしっかり臭みを抜き、濃い目の味付けにして、多めに作っておきましょう。ジッパー付き保存袋などに入れて冷凍しておけば、少しずつ食卓に出すこともできます。

鶏レバーの煮物」に片栗粉をまぶし、から揚げにするとさらに食べやすくなります。シンプルな料理なのでアレンジも効きます。ぜひ参考にして作ってみてください。

管理栄養士・金子香織】