前回のコラムで体を作る細胞が日々作られていることをお話しました。その細胞を作るために、体の中では化学反応が起きています。

化学反応とは、例えば材料「A」と「B」が合わさると、新しい細胞「C」ができるということです。

A+B=C

それでは問題です。材料「A」と「B」がそれぞれ2倍あった場合、細胞「C」はどれくらいできるでしょうか。

2A+2B=?

答えは2A+2B=C あまりA、Bです。

材料がたくさんあったとしても、体内で代謝できる量には限りがありますし、細胞「C」をそれほど多く必要としない時は、Cを2つ作るわけではないのです。

次の問題です。材料「A」が半分しかなかった場合、細胞「C」はどれくらいできますか。

1/2A+B=?

答えは1/2A+B=1/2C あまり1/2Bになります。

合成できる材料が少ない時は、その少ない材料分しか細胞は作られません。

加えて、これらの式でのあまり分、それぞれ不要となった材料は体脂肪となって体内に蓄積されたり、それを消費するために余計なエネルギーが必要になったりするのです。

当然、運動した時は、筋肉を増加させるために多くの材料が必要となりますが、一般的に「必要量」と言われるタンパク質量(体重1㎏当たり2g以下)を2倍(体重1㎏当たり4g)にしてもすぐに筋肉が2倍になるわけではなく、徐々に増加するものです。

上記で分かるように、体内での化学反応を効率よく進めるためには、特定の栄養素だけを多くとるのではなく、常にバランスの良い食事を心がけ、運動量や内容に合わせて全体の食事量を調整してくことが大切です。

今回は旬のアサリを使った「アサリとキノコの炊き込みピラフ」を紹介します。フライパン1つでできる主食+主菜メニューです。

管理栄養士・田澤梓