「酸化ストレス」と聞くと、悪いイメージを持つ方が大半でしょう。「取り除かなくてはならない」と思い、抗酸化サプリメントを服用しているという選手もいます。

確かに、抗酸化サプリメントは運動によって受ける酸化ストレスを軽減してくれますが、摂りすぎる(高摂取する)ことで逆効果となり、パフォーマンスに影響してしまうこともあります。

継続することでストレスに体が慣れる

運動すると、「運動適応」が起こります。やり始めはつらいと思う強度の運動でも、継続して行うことで体が酸化ストレスを受け、そのストレスや刺激に体が慣れてくることで、次第に同程度の強度の運動ではつらいと感じなくなり、運動能力が上がることにつながります。

この酸化ストレスを運動適応に生かすには、抗酸化作用のあるものを高摂取しないことです。つまりサプリメントからではなく、食事から必要な分量を摂ることが大切です。

食事から必要量を摂取することが大切

例えばビタミンCは、成人では1日の推奨量が100㎎とされており、体内吸収と排泄量を考えると、食事以外にサプリメントから1日当たり1000㎎以上のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。しかし、サプリメントでは高摂取しがちです。また、清涼飲料水でもビタミンCが1000㎎含まれているものが市販されているので、飲料でも摂取するときは注意が必要です。

運動する人の最適な抗酸化状態を維持する最善の方法は、変化に富み、バランスのとれた食事を通じてビタミンとミネラルを十分に摂取することです。ビタミンCを多く含む野菜や果物を積極的にとり入れていきましょう。

今回は「柿と白菜のサラダ」を紹介します。柿はビタミンCが豊富な食材。生のまま食べるだけでなく、料理にも活用するのもおすすめです。旬の果物で季節も味わいましょう。

管理栄養士・田澤梓

参考文献:Tina-Tinkara Peternelj et.al.:Antioxidant supplementation during exercise training: beneficial or detrimental? Sports Med. 2011 Dec 1;41(12)