骨の成長は20歳頃がピークと言われています。骨が伸びるだけでなく、骨量(骨密度)もそこが最大になるということで、20歳前後で一生の骨の強さが決まります。思春期の成長スパート時期にカルシウムの摂取量が不足すると、骨密度が低下し、骨折のリスクが高まります。

一生の骨の強さが決まる思春期

また、全身の骨総量のうち約25%が思春期に獲得されるとも言われています。骨を発達させるためには、身体活動によって骨格系に負荷や刺激をかけるのと同時に、カルシウム、ビタミンD、タンパク質やエネルギーを十分に摂取することも、とても重要な要素になります。

カルシウムだけ摂れば良い訳ではない

つまり、骨密度を高め、最適な状態を維持するためには、単にカルシウムをたくさん摂れば良いということではありません。次のことも合わせて必要です。

骨密度を高めるためのポイント

タンパク質を一度に多量に摂取するのを避ける(高タンパク質食により、カルシウムの排泄量が増えるため)
継続して十分にカルシウムを摂取する
エネルギーバランスを良好な状態に保つ
血糖値を適切な状態に保つ(低血糖時産生されるホルモンに骨を分解する作用があるため)
運動などで骨に刺激を与える
カルシウムの吸収を高めるため、ビタミンDを十分に摂取する
女性の場合、月経状態・周期を正常に保つ(女性ホルモンは骨を分解する時に働く破骨細胞を抑制する作用をもつため)

思春期に骨を伸ばし、強くするためには、減量などをせずしっかり食べて、定期的に身長や身体組成の把握をし、成長曲線と照らし合わせて成長が促されているか確認しましょう。

今回はチーズと牛乳をたっぷりと使った「ジャガイモのチーズ焼き」を紹介します。チーズと牛乳でカルシウムやタンパク質、ジャガイモで炭水化物やビタミンCがとれるメニューです。

参考文献:スポーツ栄養ハンドブック ダン・ベナードット著 寺田新訳

管理栄養士・田澤梓