9月に入り、少し涼しさを感じる日も出てきますが、まだまだ熱中症の対策は欠かせません。強度が高い運動をして汗をたくさんかいているのに、スポーツドリンクではなく、麦茶や水で水分補給をしていると、それほど気温が高くなくても脱水状態になり、熱中症になります。

また9月は台風や雨が多い月でもあります。湿度が高いと、汗が大気中に蒸発しにくくなるため、熱を放散させることが難しくなり、体内に熱がこもりやすくなります。1時間あたりのエネルギー消費量が増えるにつれて、熱の産生量は増え、過剰となった熱を放散する必要が高まります。

そのまま熱を放散できない状態が続くと、命に危険が及びます。そのため熱産生量を減らすために、私たちの体は自然と疲労困ぱいまでの時間を短くしたり、1時間あたりのエネルギー消費量を減少させたりして高温環境に馴れるようにしていきます。しかし、いくら熱に馴れたとしても、熱中症を発症するリスクは必ず存在するので、十分な水分補給と、長時間、強度の高い運動をするときの体調・体温の管理はとても重要です。

水分補給は、ドリンク類だけでなく、汁物などの食事や水分の多い食品から摂取することも大切です。今回は、水分の多いトマトやナスを使った「野菜のサブジー」を紹介します。

サブジーはスパイスを効かせて野菜を炒めて蒸したインド料理です。野菜もたくさん食べられ、一緒に水分も摂れるのでおすすめです。

参考文献:スポーツ栄養学ハンドブック ダン・ベナードット著 寺田新訳 東京大学出版会 2021

管理栄養士・田澤梓