スポーツ栄養学を学んでいる選手に「食事を選ぶ時に何を基準にするか」と質問すると、たいてい「食べたいもの」「食欲にあわせて」という回答が返ってきます。もちろん、「栄養のことを考えて」「タンパク質が多く入っているもの」「脂質が少ないもの」という頼もしい回答もありますが、「食べたいもの」が優先になる選手もいるわけです。

「選手が食事を選ぶ時に何を参考にしているか」を調べた研究があります。食品選択に影響を与える要因として高かった項目は以下となったそうです。

パフォーマンスに有効かどうか
おいしそうと思うかどうか
健康な食事か
体重コントロールに適しているか

この項目にも「おいしそう」が入っているように、アスリートの食事は栄養面も大切ですが、選手が食べたいと思えるかどうかがとても大切ということですね。

保護者が作る家庭の食事や、選手が自炊したり自分で選んだりできるなら、好きなものを食べることができるでしょう。しかし、寮生活や合宿や遠征などで決められた食事が提供されるときは、少しでも自分で食欲を沸かせる工夫ができるといいですね。

例えば、サラダのドレッシングは好みのものを数種類用意しておき持参する、肉や魚のソースは別添えにしてもらい、好みのスパイスやソースを用意しておくなどです。「おいしそう」と思えるものが、自分のパフォーマンスにつながるものになるとよりよいですね。

今回は「チーズとナゲットの海苔巻き」を紹介します。

市販のチキンナゲットとチーズを重ねて海苔で巻く簡単なものです。補食やおかずにチーズをプラスすると栄養価が上がり、おいしさもアップするのでおすすめです。チーズも様々な種類があるので、お気に入りの味を知っておくといいでしょう。

参考文献:Thurecht R, Pelly F. Key Factors Influencing the Food Choices of Athletes at two Distinct Major International Competitions. Nutrients. 2020;12(4):924. Published 2020 Mar 27. doi:10.3390/nu12040924 

管理栄養士・田澤梓