皆さんは「睡眠」についてどのように考えていますか? 睡眠(休息)をしっかりとるのは大切だと分かっていても、ついついスマホで友人とおしゃべりしたり、ゲームを楽しんだり、また宿題や勉強をしたりして、翌日に眠気が襲ってきた経験のある方もいるでしょう。特に、時間の制約が少ない大学の運動部員は睡眠不足に陥りやすい傾向があるようです。
日頃の運動パフォーマンスに「睡眠」は大きく影響します。今年開催された平昌(ピョンチャン)オリンピックでメダルを獲得したある選手は、その要因として睡眠を挙げていました。
睡眠とスポーツパフォーマンスの影響の研究報告があります。アメリカで、大学のバスケットボール部員に10時間の睡眠を5~7週間継続するように指示したところ、さまざまな記録更新の結果が出ました。なお、実験前の平均睡眠時間は7時間でした。
結果は下記の通りです。
・86mダッシュ(スプリント):0.7秒記録更新
・フリースロー成功率:9%増加
・スリーポイントシュート成功率:9.2%増加
8時間以上が好ましい
睡眠を長くしたことでパフォーマンスが向上。精神面も安定したと発表しています。また、アメリカ国立睡眠財団は、睡眠時間が8時間未満の子どもは、8時間以上の子どもと比較すると、スポーツ中の負傷が1.7倍も増加したと報告もしています。睡眠不足はケガや事故につながりやすく、睡眠はアスリートにとって、練習や食事と同様、身体作りの重要な項目となります。
このようにデータ上は、アスリートの睡眠は8時間以上が好ましいといえますが、部活やトレーニング、塾などで多忙な中高生が、常日頃それだけの睡眠時間を確保するのは難しいのも現実です。競技やトレーニング量によっても必要な睡眠時間は個人差がありますので、指導者と相談しながら調整していきましょう。
寝不足はアレルギー症状悪化にも
睡眠不足になると、これからピーク後半となる花粉症の症状が助長されることもあります。免疫が下がり、アレルギー症状を誘発させるからです。花粉症予防などのアレルギー対策のためにも、睡眠時間の確保に努めましょう。
そこで、食事から睡眠不足を補うことに意識を向けてみませんか。さらに質の高い睡眠のためには、食事にもいくつかポイント があります。気持ちを落ち着かせ、深い睡眠を促すホルモンの材料となるのはアミノ酸(タンパク質)。夜にタンパク質をとるといいでしょう。
今回は、タンパク質補給となる豚ひき肉と旬の春キャベツを使った「春キャベツと豚ひき肉のおかずサラダ」を紹介します。タンパク質を含む副菜なので、主菜のタンパク量が少ないときでもしっかり補給。キャベツには、抗酸化力の高いビタミンCが、アスパラガスには疲労回復を助けるアスパラギン酸が多く含まれています。
この春から環境が変化した方は、自分が感じている以上にストレスを感じていることでしょう。そのような時期にこそたっぷりの睡眠と、ストレスに負けない身体作りのためにビタミンCを取り入れてください。