栄養相談を受ける中で、「卵アレルギー+大豆アレルギー+魚アレルギー+食が細い」と聞くと、鉄不足を疑います。
多品目にわたる食品除去をしていて食が細い場合は、鉄欠乏状態のことが多いからです。また最近では、血液検査で貧血と診断されたにも関わらず、なかなか思うように食事がとれず、状態が改善されないという声もよく聞きます。
ヘム鉄、非ヘム鉄ともに摂る
一方で、アスレシピでも多くの先生が書かれているように、鉄はアスリートの日頃のパフォーマンスに直結し、特に意識して摂取して欲しい栄養素です。鉄欠乏により、血液循環輸送と筋肉への酸素供給量が減ると、持久能力などが下がり、競技パフォーマンスを低下させてしまいます。特に女性は、一般の推奨量よりも1.5~2倍は摂取する必要があるといわれています。
ご存じのように、食品の鉄には、ヘム鉄(動物性食品に多い)と非ヘム鉄(植物性食品に多い)の2種類があります。非ヘム鉄を十分に摂取しているから、ヘム鉄の多い食品は不要というわけではありません。吸収率が異なります。ヘム鉄は吸収性に優れ、非ヘム鉄の4~6倍の吸収率があります。
鉄が多く含まれる食品
鉄が比較的多く含まれる食品を下記に挙げます。
卵(M1個60g)…1mg
鶏肉レバー(90g)…8.1mg
豚肉レバー(90g)…11.7mg
牛肉レバー(90g)…3.6mg
鶏ささみ肉(100g)…0.2mg
サバ(90g)…1.0mg
サンマ(100g)…1.4mg
ブリ(100g)…1.3mg
納豆(50g)…1.6mg
木綿豆腐(100g)…0.9mg
高野豆腐(乾燥20g)…1.5mg
小松菜(90g)…2.5mg
今回は鉄が多く含まれる豚肉レバーを使用した「疲労回復サポート!レバニラ炒め」を紹介します。
肉厚の冬ニラがおいしい時期
ニラには血液循環を改善させ、体を温めて胃腸の働きを助ける作用があります。また、ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復につなげる効果もあります。特に、11月~3月頃に店頭に並ぶ冬ニラは、この時期に一層おいしくなる野菜の1つ。肉厚で、寒さが当たって甘味が増すといわれています。
モヤシにも、鉄の吸収を助けるビタミンC、疲労回復を助けるアスパラギン酸など、さまざまな栄養素が含まれています。
冒頭の「卵アレルギー+大豆アレルギー+魚アレルギー+食が細い」という方も、肉は食べられたのでレバーをすすめました。レバーが苦手な方も、調理法や肉の種類を変更して、鉄強化の常備菜やお弁当のおかずを見つけてみましょう。