新学期に合わせて引っ越した方、家族の在宅勤務に合わせて転居した方もいることと思います。転居先で、頭痛、鼻のムズムズ、倦怠感などの症状で困っている方はいませんか。「シックハウス症候群(シックビルディング症候群)」。この疾患は、昔からアレルギー体質の方が発症しやすいといわれています。

今年、この疾患における日本での最新の調査結果が発表されたので、対策を含め簡単に紹介していきます。

原因は建材や家具に含まれる化学物質やカビ

シックハウス症候群とは、建材や家具に含まれる化学物質やカビなどにより、涙目、目のチカチカ、頭痛、めまい、湿疹、無気力になるなどの症状が出てくるものです。新築直後や改装直後の建物内での生活で発症するケースが多く見られます。

外では全く問題なく、特定の室内空間だけで症状が出やすいことが特徴です。コロナ禍により、以前よりも室内で過ごす時間が増えたために、このコラムを読んで思い当たる方もいるのではないでしょうか。

最新調査による「なりやすい人」の特徴

日本に住む男女約5000名を対象とした最新の調査結果によると、シックハウス症候群になりやすい方は、下記の通りです。

・ぜんそく、食物アレルギーなどのアレルギー疾患をもっている方
・床がカーペット敷き、ホコリを目にする機会が多い方
・喫煙歴のある方
・同居人が室内でタバコを吸っている方

私もアレルギー疾患の患者さんとお話しする中で、シックハウス症候群の症状を訴えるケースを多く耳にします。シックハウス症候群の予防としては、「シックハウス症候群対策の建材を使用する」「同居人に出来る限り室内でタバコを吸わないようにお願いする」「こまめに掃除をする」「空気清浄機を活用する」などのことが挙げられます。

また、室内の空気の汚れや湿度を下げるには、何よりも換気が大切です。2カ所以上の窓を開け、換気扇も活用しながら新鮮な空気を取り入れるように心がけましょう。

エアコンには数多くの機能がついており、換気できていると思う方もいるかもしれませんが、大半のエアコンには換気機能はついていません。特に、新築工事や改装工事の引き渡し完了後は、可能な限り窓明け換気をしながら作業をしましょう。

今回紹介するのは、「冬瓜と鶏むね肉のコンソメ煮」です。冬瓜(トウガン)は、名称に「冬」が入りますが、実は今が旬。胡瓜(キュウリ)、苦瓜(ニガウリ、ゴーヤ)、西瓜(スイカ)、南瓜(カボチャ)と他の瓜がつく野菜同様、夏の野菜です。なぜ「冬瓜」かというと、保存性が高いため、「夏に収穫した果実が冬まで貯蔵できる」という意味だそうです。

その冬瓜は抗酸化作用のあるビタミンC、食物繊維を多く含みます。ビタミンCは水に溶け出すので、煮汁も飲んで栄養素を無駄なく摂りましょう。

食物繊維は、水溶性と不溶性がそれぞれ含まれており、アレルギー体質の方には特に意識してほしい栄養素で、快適な腸内環境作りには必要不可欠です。免疫機能を向上させるサポニンも含まれています。

触感がパサパサになりやすい鶏むね肉には片栗粉をまぶし、厳しい残暑で食欲が低下しやすい時でも食べやすいようにひと手間を加えています。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子