4月に入り、地域によってはスギ花粉の飛散量が少なくなってきましたが、4月~5月はスギだけではなく、多くの花粉が飛んでいることをご存知でしょうか。スギ花粉飛散ピークの終盤時期に飛散量が増えてくるのは、イネ科(カモガヤ、ハルガヤ)、カバノキ科(シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャッブシ)、ヒノキです。複数の種類の花粉症をお持ちの方は、今が症状のピークになっていると思います。

近年、大人の食物アレルギーが増えてきていますが、発症要因として比較的多いのが花粉です。花粉アレルゲンと似た構造の果実や野菜を摂取し、いき値を超えたところで食物アレルギーを発症するといわれています。

カバノキ科花粉症とバラ科やセリ科の食べ物

カバノキ科の花粉症をお持ちの方は、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS : pollen-food allergy syndrome)を発症しやすい傾向があります。バラ科やセリ科の食べ物には注意が必要です。

バラ科=リンゴ、モモ、サクランボ、アンズ、ナシ、ウメ、アーモンドなど
セリ科=セロリ、ニンジンなど
その他=大豆、ピーナッツ、キウイ、ヘーゼルナッツなど

これらの食品をとったときに、口の中がイガイガやピリピリとした刺激を感じたり、かゆみを感じたりした場合は、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)かもしれません。全身症状はめったに出にくいとされています。

加熱したり加工食品なら症状が出ないことも

口腔内に違和感が出るからといって、これらの食品をすべて控える必要もありません。加熱や、瓶や缶詰などの加工食品では食べられるケースもありますので、よく観察しておきましょう。ただし、豆乳については、摂取量や体調などによってはアナフィラキシーが起きるケースもあるので注意が必要です。万が一、今まで何でもなかった食べ物を食べて違和感があったときは摂取を控え、医療機関を受診しておきましょう。

今回紹介するのは、旬のゴボウを使った「ゴボウのポタージュスープ」です。ゴボウには食物繊維や抗酸化作用の高いクロロゲン酸というポリフェノールが豊富に含まれております。腸内環境を整えることにも役立ちます。

睡眠不足などで疲労が蓄積するとアレルギー症状を助長させるので、花粉飛散シーズンは無理をし過ぎないよう心がけましょう。また冷えも花粉症には大敵です。まだ朝晩は肌寒い日もありますので、「ゴボウのポタージュスープ」で身体を温めましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子