前回は寒天についてお話ししました(参照:「夏休みにおすすめ寒天レシピ」)が、今回はゼラチンについて話をします。

 凝固剤として使われる寒天やゼラチンですが、特性は全く違います。ゼラチンは、寒天と比べて口溶けがよく、弾力性と粘性が強く、やわらかくプルンとした食感が特徴です。ババロアやゼリーなどに使われます。

 ゼラチンは牛や豚の骨や皮に含まれているコラーゲン(タンパク質)からできており、粉ゼラチン、板ゼラチンなどがあります。50~60℃で溶解し、20度以下で固まるため、常温では固まりにくく、1度固まっても25度以上になると溶け始めます。

 使用量の目安は、液体の全体量に対して2~2.5%程度を50~60℃くらいのお湯で溶かします。

 ゼラチン使用時の注意点は以下のようなものがあります。

水に入れてふやかしてから使います。加熱しすぎると固まる力が弱くなるので、沸騰させないようにしましょう。

冷蔵庫で固めますが、固まった後に常温に置いておくと溶けてしまいます。25℃以上で溶け出します。

パイナップルやキウイを材料として使う時は、その果物に含まれるタンパク質分解酵素によって固まらなくなるので、生のままで使うと固まりません。果物を加熱し、酵素を分解すると固まります。

 次に、粉ゼラチンと板ゼラチンの使い方を説明します。

粉ゼラチン
 分量内の水で一度、水分を含ませてから使うのが通常ですが、ふやかさなくても、そのまま使えるものあり、初心者でも使いやすくなっています。

板ゼラチン
 透明感が高く、保形性があります。水に1~2分ほど浸けてふやかし、よく絞ってから60℃に温めた液体に入れて溶かしてください。

ミルクティープリン
ミルクティープリン

 今回は、牛乳と煮出した紅茶で作った「ミルクティープリンの作り方」を紹介します。牛乳により、身体作りの材料であるタンパク質やカルシウムを、ゼラチンによりタンパク質の一部であるコラーゲンを摂取することができます。

 牛乳にはまた、アルブミンが多く含まれています。アルブミンは血管内に水分を引き込んで、血液を増やす作用があります。皮膚に近い末梢の血液量も増えるので、汗をかきやすくなったり、皮膚表面から熱を放散する機能が高くなったりし、体温調節しやすくなるといわれています。牛乳の代わりにスキムミルクを使うこともできます。

 1個程度を作るのであれば、ふやかさなくてもよいゼラチンを用いて、電子レンジで作ることもできます。ぜひお試し下さい。