「野菜をたくさんとろうと思っているのですが、具だくさんのみそ汁のほか、いいおかずはありますか?」
そのような質問を受けることがあります。
冬の寒い時期は、サラダ等の生野菜は食べにくくなり、おでんや鍋、具たくさんの汁物を好む選手が多くなります。しかし、おいしい具たくさんみそ汁も毎日続くと飽きてしまうようです。
野菜を手軽に、たくさん食べるには、ゆでたり、みそ汁にしたり、火を通したりすると食べやすくなります。しかし最近は、野菜の価格高騰もあり、食べること自体が減っているようです。
1日350g摂取が目標
厚生労働省が推進する健康づくり運動「健康日本21」では、健康増進の観点から1日350g以上の野菜(緑黄色野菜120g、淡色野菜230g)を食べることを目標にしています。しかし、平成28年度の国民栄養調査では、野菜摂取量の平均値は276.5gと下回っており、男女別では男性が283.7g、女性が270.5gです。この10年間は男女とも減少しており、年代別では20歳代で最も少なく、60歳代で最も多くなっています。
野菜の主な栄養素としてはビタミンA、C、食物繊維、カルシウム、カリウムなど。価格高騰の中で、比較的に価格が安定しているのはモヤシ、スプラウト、水耕栽培の野菜、キノコ類、乾物野菜です。
今回は、家計にもやさしいモヤシをたっぷりと使った「野菜たっぷり巣ごもり卵」を紹介します。フライパンで蒸し焼きにするだけで簡単に作れます。
ビタミンC損失を最小限に
モヤシには、鉄の吸収の利用を促進したり、老廃物や糖質、脂質の代謝に関わるモリブデンや、食物繊維のほか、ビタミンCが含まれています。ビタミンCの含有量は他の野菜よりも多くはありませんが、価格が安定しているのでたっぷり食べられ、摂取量を確保することができます。
ビタミンCの損失を防ぐ調理のポイントとしては、
①水に長時間さらしておかない。
②加熱時間を短縮する。
これらに注意し、損失を最小限に抑えましょう。
卵を少し半熟にしてご飯にのせると丼物にもなります。アレンジしながらお試し下さい。
【管理栄養士・舘川美貴子】