夏が近づくと、選手たちから「夏バテ防止、疲労回復におすすめの食材」を質問されます。暑い夏を乗り切るために、選手たちも食事の選択に気を使っています。
練習後の素早い疲労回復には糖質、タンパク質の摂取が重要ですが、具体的にどんな栄養素、どんな食材がおすすめなのでしょうか?
ご飯、パン、麺など主食をしっかり食べることも大切ですが、エネルギーを作り出すときに必要な「ビタミンB1」、そのビタミンB1の効果を上げる「アリシン」が重要です。
糖質をエネルギーに変換
エネルギーが必要だからといって、おかずを食べずにご飯やパンだけたくさん食べていても、効果は出ません。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が必要なのです。
また、食事のバランスが悪い上にビタミンB群の入っていないエナジードリンクや、大量の砂糖の入った清涼飲料水ばかり飲んでいると、ビタミンB1の不足、欠乏が起こります。すると、エネルギーの不完全燃焼が起こって疲れが出てきます。B1の欠乏が長く続くと、むくみ、動悸、息切れの症状が表れ、脚気(かっけ)という病気になります。糖質を多く食べる、主食量が多くなる選手は、同時に摂取を心がけたい栄養素ですね。
B1の効果を上げる役目
アリシンはニラ、ニンニク、タマネギなどに含まれる成分で、においの素です。ビタミンB1は水溶性のため、体内に余分に留まることができませんが、アリシンと結合することで体内に留まり、疲労回復をサポートしてくれます。
アリシンは熱に弱いのが難点ですが、油と一緒に調理すると分解されにくくなるので、油で炒めて食べるのがおすすめです。
●ビタミンB1を多く含む食材
豚肉、ハム、ウナギ、胚芽小麦、大豆、豆類など
●アリシンが含まれている食材
ニンニク、ネギ、タマネギ、ニラ、アサツキなど
普段の食事をおろそかにせず、上記のような疲労回復に効果のある食材をプラスしていきましょう。
今回は「ボリューム満点ニラ豚玉」を紹介します。豚肉はタンパク質とともに、ビタミンB1が豊富です。ニラにはアリシンのほか、ビタミンE、ビタミンB2が多く含まれています。
ビタミンEは抗酸化力があり、活性酸素を抑えて体内の不飽和脂肪酸の酸化を抑制する働きがあります。また、末梢血管を広げて血行を良くする効能もあるため、冷え性や肩こりの予防に役立ちます。
ビタミンB2は糖質、脂質からエネルギーを作るのを助ける働きがあります。ビタミンB2もエネルギーを作るためには非常に重要な栄養素です。
ビタミンB1、アリシン、タンパク質を含んだ「ボリューム満点ニラ豚玉」で食欲アップ、ご飯も進みますね。暑い夏を乗り切りましょう。