アスリートの食事は、「体を作る材料のタンパク質をたくさん摂ればいい」「たくましい体を作るためにはタンパク質をたくさん取らなければいけない」とのイメージがあり、タンパク質を重視する選手が多いようです。しかし、何事もバランスが大切。タンパク質ばかり多く摂りすぎると、逆に体を疲れさせることになります。

タンパク質の過剰摂取によって生じること

(1)エネルギー量が充足されている状態でタンパク質を過剰にとると、余分なタンパク質、エネルギーは中性脂肪になり、体脂肪を増やすことになります。

(2)分解されたアミノ酸はアミノ基を持っているため、アンモニアができます。このアンモニアは毒性が強いので肝臓で尿素に分解し、無毒化されます。過剰にとると、肝臓が疲れます。

(3)腎臓は肝臓で作られた尿素を調節しており、過剰に摂取すると排泄する腎臓に負担をかけます。

つまり、過剰摂取によって、処理してくれる肝臓、腎臓に負担をかけることになります。体に良いと思ってしたことが、結果的に体に悪いことを及ぼすことになるので注意が必要です。

主食、タンパク質、野菜を含んだおかず、果物、乳製品が揃っているか、日頃から食事バランスをしっかりと確認しましょう。ご飯だけ、パンだけになってないか、お肉、お魚ばかりが食卓に並んでいないか、野菜のおかず、色の濃い野菜はあるかなど、意識しながら食事をとりましょう。

今回紹介するのは「鶏肉とカシューナッツの炒め物」です。ナッツを炒ってあるので香ばしくなり、野菜やナッツが苦手な選手も食べやすいおかずになります。一見変わった食材を使うと作り方が難しそうですが、炒めてタレと絡めるだけ。簡単です。

管理栄養士・舘川美貴子