オフシーズンになると、高校生や大学生で増量を始める選手が増えてきます。増量はただ太ればいいわけではないので、非常に根気がいるものです。「トレーニングも食事も頑張っているのに、なかなか体重が増えない」「思うほどに筋肉量が増えてこない」など、多くの悩みが寄せられます。

増量の基本的な考え方

増量の基本的な考え方として、次の2点があります。

(1)エネルギー量を落とさない。
(2)体の材料のタンパク質をコンスタントに3食+補食でとる。

それぞれ詳しく説明していきましょう。

エネルギー量を落とさないために

増量するには、摂取エネルギー量(食べた量)が消費エネルギー量(動いた量)を下回らないことが大切です。両方のエネルギー量が同じであれば、体重はほぼ一定にコントロールされますが、消費する分が多いとエネルギー不足になり、生きるため、動くために筋肉を壊してエネルギーを作り出します。

つまり、体重が減り、筋肉がやせるということ。運動量が増えるならそれに見合った食事量をとらないと、増量どころか体を壊す原因となります。運動量の増減をコントロールしながら、食事量は減らさないようにしましょう。

タンパク質をコンスタントに3食+補食で

体を作りたいと思っても、体の材料になるタンパク質が少なければ、体は作られません。特に朝食やトレーニング後の補食では、肉や魚、卵、大豆製品などからタンパク質をしっかり摂りましょう。

また、空腹の状態でトレーニングを行うと、カタボリック(筋肉が分解され、壊れている状態)になります。トレーニングの3時間前ぐらいに食事をしたり、果物などの消化の良い補食をとってエネルギーを蓄えておきましょう。

増量は1日ではできませんし、“魔法の食べ物”もありません。食事、トレーニング、休養がそろった上で実を結んできます。日々の体重の増減に一喜一憂せず、コツコツ体を作っていくことが大切です。

今回はボリュームのある主食「焼肉キムチご飯」を紹介します。焼肉はアスリートが大好きなメニューですが、牛肉とキムチを炊飯器に入れて炊くだけの時短・簡単メニューです。これ一品でエネルギー、糖質、タンパク質がとれます。ぜひお試しください。

管理栄養士・舘川美貴子