そろそろシーズンが始まる競技も出てきました。昨年度から続く新型コロナの影響で十分な練習が出来ずにシーズンに臨むチームも多いでしょう。今までと同じ形の練習ではないため不安を抱えている選手や、逆にレギュラーチャンスが回ってきて緊張している選手もいるようです。

「試合の前におなかがゆるくなったり、痛くなったりして食事がなかなか進みません。どんなものがおすすめですか?」

シーズン直前の選手から、こんな質問が増えてくる時期でもあります。試合の前はなるべく食べ慣れた消化の良い食べ物、特にエネルギー源となる糖質をそろえましょう。

できるだけ消化の良い糖質を多めに

選手たちは練習量が多く、練習時間も長いため、身体活動を高める交感神経が優位となっています。交感神経が優位の状態では胃腸の運動や粘液分泌が抑制されるため、食べ物の消化吸収が悪い時間帯が長くなります。試合当日の食事は、できるだけ消化の良い糖質を多めに取りましょう。

だからといって、いきなりどんぶりめしをたくさん食べられるわけではありません。白いご飯も良いですが、酢飯や味付きの炊き込みごはん、うどんパン、果物類なども含め、食べやすい糖質を選び、総量として多く摂れればいいのです。また、消化に時間がかかる脂質を多く含むメニュー、揚げ物や中華料理など油っぽいものは避けましょう。

試合当日の朝食におすすめ具体例

例えば、当日の朝食としておすすめは次のものが挙げられます。

梅ごはん、うどん、卵焼き、ホウレン草のゴマあえ、オレンジ、ロールパン、ゆで卵、トマトサラダ、フルーツヨーグルトなど。

糖質を増やしたとしても、全体のエネルギー量が大きく増えないように食事全体の量は調節しましょう。試合の日はこれを食べるといった「勝負飯」を決めておいても良いですね。

今回は、試合当日の朝ご飯にぴったりなおなかに優しい「とろとろ親子うどん」を紹介します。鶏もも肉と卵で「親子」ですが、鶏肉の皮や脂身を落として使わず、脂質を落としています。水溶き片栗粉でとろみをつけると、のど越しもよく、気持ちもほっと安らぎます。

食事や送り迎えにも協力し、練習を支えてくれたお母さん、お父さんは、試合でも選手のために一生懸命、声援を送ってくれます。自分の調子などはしっかり伝えて、ベストコンディションでシーズンを臨みましょう。

管理栄養士・舘川美貴子