5月半ばとなり、疲れがたまった、何となくやる気が出ない、体調がすぐれない、食欲が落ちたという心の不調を感じることはありませんか。「五月病」とも言われますが、これらは環境の変化、生活リズムの変化、睡眠不足など様々な原因が考えられます。

お風呂に入る、読書や散歩など自分の好きなことをして、リラックスできる環境を整えましょう。リラックスして過ごすと、気持ちや精神を安定させ、感情をコントロールする「セロトニン」が分泌されやすくなります。セロトニンは「しあわせホルモン」と呼ばれる脳内ホルモンです。

食事からセロトニンを増やすアプローチも大切です。セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。必須アミノ酸は体内では作ることができないので、食べ物で摂取しなければなりません。

トリプトファンが多く含まれている食材は主に、豆腐・納豆・みそ・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類など。その他、ゴマ、ピーナッツ、卵、バナナにも含まれています。

<主な食品中のトリプトファン含有量>
(可食部100gあたり)

白米       82mg
玄米       94mg
パスタ(乾麺) 140mg
そば(乾麺)  170mg
サケ      250mg
カツオ     310mg
マグロ赤身   270mg
豚ロース    280mg
鶏むね肉    270mg
鶏卵      180mg
木綿豆腐     98mg
豆乳       53mg
油揚げ     270mg
高野豆腐    750mg
牛乳       41mg
ヨーグルト    47mg
バナナ      10mg
アボカド     33mg
キウイフルーツ  14mg
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

食欲がなくなり、食事量が低下すると、トリプトファンの摂取量も減ってきます。イライラせず、やる気がでるように日頃からトリプトファンが多く、食べやすい食材や料理などを見つけておくと良いですね。

今回は大豆を原料として作られる「高野豆腐の卵とじ」を紹介します。高野豆腐は植物性タンパク質を豊富に含み、トリプトファンの含有量が100g中750mgと多い食材です。主菜にも副菜にもなり、ボリュームも十分。口にした瞬間、じゅわっとだしが染み出す高野豆腐はとてもおいしく、ほっこりした気分にもさせてくれます。

管理栄養士・舘川美貴子