オミクロン株の感染拡大により、いまだ部活動やクラブ活動が制限されています。学内では、合唱や調理実習の中止もあり、合唱部や調理部、お料理クラブなどの文化部の活動もできなくなっているようです。
前回のコラムでは「こんな時こそ、食事の基本スタイルを見直そう」と伝えましたが、今回はさらに「こんな時こそ身に付けよう」として、基本の調理技術の1つ「落とし蓋」に注目していきます。
こんな時こそ調理技術を身に付けよう
調理技術には野菜を切る方法や調味料の使い方、煮る、焼く、蒸しなどの調理法など様々あります。普段は時短を考えて、なるべく簡単に作れる料理が多いかもしれませんが、少し時間のある時は、調理時間やひと手間かけたメニューを作ってみるのも良いでしょう。
例えば、普段、顆粒だしや麺つゆを使っているみそ汁や煮物のだしを、かつお節や昆布、煮干しからとってみる。野菜を面取りや飾りを入れた切り方にしてみる、煮込み料理をじっくりと作ってみるなどです。
普通の鍋蓋との違い
煮物料理をサポートしてくれる料理道具が「落とし蓋」です。使ったことのない人からすると、どう使えばいいのか分からないようで、実際に調理実習の場面でも「落とし蓋をしましょう」と伝えると、普通に鍋に蓋をする人、鍋の内径と同じ大きさの蓋をはめてはまってしまい、取れなくなる人もいる状況です。
落とし蓋の使い方
そこで、落とし蓋の使い方とどんな効果があるのかを説明します。
落とし蓋は、鍋の中に収まるサイズの蓋を、具材の上に直接置いて使います。普通の蓋とは違い、「鍋の中に置く(落とす)」ことから「落とし蓋」と呼ばれます。
食材を煮込むタイミングで上から置くだけで、使い方は特に難しくありません。落とし蓋をした状態で、具材がやわらかくなるまで煮込みます。
落とし蓋の効果
落とし蓋を使うことで、次の効果があります。
■落とし蓋を使う効果
(1)味が食材全体へ染み込む
落とし蓋をすると、具材全体に味がよく染み込みます。落とし蓋をしないと具材の上の方まで満遍なく染み込みません。
(2)調理時間が短い
落とし蓋をすると、熱が逃げにくいので火が通るのも早くなり、調理が時短で済みます。また、煮汁は具材の6~7割と少量ですみます。
(3)煮崩れしにくくなる
煮汁が少なくて済むため、具材が煮汁の中で移動しなくなるので煮崩れしにくくなります。
(4)アクが取れる
落とし蓋をすると少しアクを取り除くことができます。落とし蓋を取り上げる際、表面にうまくアクをつければ、煮汁を減らさずにアクを取り除くことができます。また、使い捨ての落とし蓋を使えば、洗い物が減ります。
落とし蓋の種類
落とし蓋にはステンレス、シリコン素材や形などいくつか種類があります。専用の落とし蓋がなくても、アルミホイルなどで代用することもでき、とても便利です。
・ステンレス製、シリコン樹脂製
洗って繰り返し使用することが出来ます。
・アルミホイル、クッキングシート、キッチンペーパーで代用
使い捨てできるので便利です。煮魚や脂質の多い肉類などに使用する時や1人暮らしにおすすめです。
■使い捨て落とし蓋の作り方
・アルミホイル
鍋より少し大きめに切り取り、手でくしゃくしゃと丸めて広げ、鍋の中にアルミホイルを入れます。菜箸などで、数か所穴をあけておきましょう。
・クッキングシートやキッチンペーパー
鍋のサイズに切ってそのまま鍋の中に入れ、菜箸やハサミなどで数カ所、穴をあけておきましょう。
そんな落とし蓋を使ったレシピ「昆布だしのカレイの煮付け」を紹介します。だしは昆布からとっています。
煮魚は難しいイメージがあり、1人暮らしではあまり作ることが少ないかもしれませんが、実はとても簡単に作れます。魚の煮付けを作るときは、煮崩れしやすいですので落とし蓋を活用すると良いでしょう。