高校生女子チームの調理実習での一幕です。シメジやシイタケを目の前にしたとき、素朴な疑問がわいてきたようです。
「キノコは洗うべきなのか? 洗わない方が良いのか?」
基本的に市販のものは洗わない
基本的には、市販されているほとんどのキノコは洗わずに使用できます。それらは菌床栽培という木材やおがくずなどにぬかや栄養分を混ぜて殺菌した培地に菌を植え付けて、衛生的な環境で育てているからです。
キノコを洗ってしまうと、風味が落ち、劣化も早まります。水でビタミンB群、カリウムなど水溶性ビタミンが流れ出たり、水分含有率が高い特徴から水っぽくなって食感が失われてしまったりもします。
洗った方がよいキノコも
一方で、洗った方が良いキノコもあります。ナメコには表面を覆う粘液に混ざった汚れが取りにくいため、軽く水洗いをするのが良いとされています。また、天然のキノコは虫や土がついているため、水洗いをしましょう。
■洗った方がよいキノコ
・ナメコ、天然のキノコ、生のまま使うマッシュルームなど
キノコの洗い方のポイントは、調理の直前に、流水で表面を洗うことです。汚れなどが気になる場合は、ペーパータオルや濡らした布巾で軽く叩いたり、拭いたりするとよいでしょう。
石づきの白いふわふわは…
また、キノコの石づきに見られる白っぽいふわふわしたものはカビではなく、キノコを作る菌糸が伸びたもので「気中菌糸(きちゅうきんし)」と呼ばれます。食べても問題ありませんが、気になる場合はペーパータオルで拭き取りましょう。なお、青や緑、黒色のものが付着していたらカビの可能性がありますので食べないようにしましょう。
高校生にそれらのことを説明すると、「そっか!」と納得し、仲間同士で「これは汚れだね」と言いながら軽く拭いたり、ほぐしてみそ汁に入れたりと、調理を進めていました。
毎日調理をする大人でも時々、「これって何が正解だっけ?」と思うことはたくさんあります。何度も繰り返して覚えることもたくさんあります。食べることは一生続くので、1つ1つ学んでいきましょう!
今回は「キノコとカボチャのクリーム煮」を紹介します。シメジ、マイタケ、エリンギと秋の味覚のキノコをたっぷりと使用。食物繊維たっぷりで腸内環境も整います。
カボチャの甘さとキノコのコリコリ食感がおいしい一品です。色々なキノコを使ってお楽しみ下さい。