<日本茶:河内園>
本格的に寒さが増し、風邪などが気になる季節になりました。今回は、風邪やインフルエンザの予防でも注目され、昨今、海外セレブや外国人観光客にも人気の日本茶の「カテキン効果」を探るべく、築地場外の日本茶専門店「河内園」に伺いました。
昭和25年創業、昨年1月に築地4丁目交差点から、静かな路地にある新店舗に移転した老舗店には、常時約30種類の日本茶や風情ある茶器がそろいます。
店主の戸張幸男さんは、東京都茶協同組合の理事を務め、NPO法人日本茶インストラクター協定認定の日本茶アドバイザーの顔も持ち、日本茶の伝統と美味しさを伝えるための活動や、地域の小学校でお茶の入れ方の講習も行っています。
そんな戸張さんに、日本茶のカテキン効果と入れ方を聞きました。
熱いお茶でサッと入れる
まず、お茶には苦み成分(カテキン)と、うま味成分(テアニン)があり、入れ方によって全く味が変わります。熱いお茶でサッと入れると、カテキンいっぱいの渋みの強いお茶になり、50℃くらいの適温でゆっくりと入れたお茶はうま味が出て、いわゆる美味しいお茶になるそうです。
カテキンは抗菌、殺菌作用があり、風邪やインフルエンザの予防が期待できます。この時期は、感染症予防のために、味よりも効能重視の入れ方をすることがポイントです。
「この季節は、学校や部活動から帰った後は、カテキンたっぷりの渋いお茶を飲んでみてください」(戸張さん)。
カテキンの含有量は、栽培された場所、育て方などによって違ってきますが、一般的には新茶よりも三番茶の方が多く含まれているとされています。
「比較的安価な茶葉で大量に作り、家族揃ってうがいをするのもいいですね。ペットボトルより効果が出ると思います」(戸張さん)。
最近では、大人も子供も飲むお茶はペットボトルが主流。急須を見たことがない子供も多くいるようですが、ぜひ家族揃ってお茶で体調管理をしてみましょう。
煎茶なら1日5、6杯まで
管理栄養士の今井久美さんに、ジュニアアスリートの緑茶の賢い摂り方を聞きました。
「激しい運動や屋外での強い日差しは酸化を促進しますが、カテキンを摂取することでこれを防ぐことが可能です。お茶の香りはリラックスやリフレッシュ効果があるため、試合前に飲んで緊張を落ちつかせることにも役立つかもしれません。ただ、お茶は多くのカフェインを含むため、多量の摂取は不眠や頭痛の原因や、鉄の吸収を抑制してしまいます。煎茶なら1日5、6杯までを目安に飲むことをおすすめします」。
住所:東京都中央区築地4丁目5-4 宇寿井ビル1階
電話:03-3541-6491
営業時間:5:00~15:00
休業日:日曜、祝祭日
HP:http://tsukiji.or.jp/search/shoplist/cat-e/cat-17/340.html