ママ特派員・佐藤ともこさん(千葉県千葉市)が、冬の海に挑む娘さんのために作る「豚汁」を紹介します。
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 娘が夢中になっているセーリングは、日本の気象条件下では冬によい風が吹くという理由から、極寒の中、レースが毎月のように開催されます。

 風速10メートルを超える強風、土砂降りの雨の中でも行われるレースは、体感温度はマイナスになります。厚手のウエットスーツや専用のドライスーツを着るなど寒さ対策はしますが、水しぶきを浴びたそばから強風が体温を奪っていき、意識が遠くなるほどの寒さになるようです。

 そんな中でも、食事は沖で自艇を操りながらとります。冬場は少しでも身体が温まるようにと、豚汁やおでんを保温のジャーに入れて持たせています。

具材を大きくした「身体を温めてくれる豚汁」
具材を大きくした「身体を温めてくれる豚汁」

 栄養の摂取はもちろんですが、寒い中で食べる温かい汁物は、何よりも心を元気にしてくれるようで、ジャーを開けた時の湯気でさえ、ホッとするようです。

 舵取りや細かいセッティングは素手なので、かじかんで感覚がほとんどないようです。そのため、具材は大きめに乱切りするなど、かじかんだ冷たい指先でもスムーズに口に運べるようにしています。

 汁物には、ショウガを入れて体内からぽかぽかするようにしたり、豚バラ肉でたっぷり脂分をとれるようにしたり、仕上げにすりゴマをたくさん入れたりすることで、冷めにくくなる工夫もしています。

 レースの主催者も、帰着の際には栄養を補給できるものを用意してくれていますが、やはり温かいものが人気。

レース後に用意されていた大鍋の豚汁
レース後に用意されていた大鍋の豚汁

 冷え切った体にほかほかの汁物が入ると、子どもたちもレースの寒さや疲れから解放され、ひと息つけるようです。

<身体を温めてくれる「ショウガ&ゴマ入り豚汁」>
調理時間:30分
材料(4人分)
[具材]豚バラ肉、大根、ニンジン、ゴボウ、コンニャク、長ネギ、油揚げ…適量
ショウガ…1かけ
出汁パック…1袋
日本酒…大さじ2
味噌…大さじ4
すりゴマ…適量(お好みで)
水…600ml

作り方
①鍋で豚バラ肉を炒めて脂を出し、皮付きのまま薄切りにしたショウガを炒める。
②乱切りにした具材を入れ、日本酒を入れてふたをして、野菜が柔らかくなるまで蒸し焼きにする。
③水を入れて、出汁パックを入れる。
④味噌を溶き入れる。
⑤仕上げにすりゴマをたっぷり入れる

佐藤ともこ(千葉県千葉市在住)

調理師、食育インストラクター、フードアナリスト2級認定講師。
お料理教室主宰。
セーリングで全国高校総体出場を目指す中学1年生女子のママ。