イタリアのパルマ県在住の油谷徳美さんはイタリアで2人の子どもを出産し、育てています。
14歳の直毅君は、パルマ・レッジョエミリア県で昨年、リーグ戦を含む3冠を獲得した「メルクリ」というチームに所属。得点王となり、パルマ県選抜チームのメンバーに選ばれました。
9歳の優佳里ちゃんは今年、2008年生まれの新体操グループに入り、エミリア・ロマーニャ州大会で2位となり、全国大会に出場します。
年齢も競技も違う2人の子どもを育てるにあたり、徳美さんは食事について、どんな気遣いをされているのか、話を聞きました。
試合前は消化の良いもの
直毅くんは試合前、バナナなどを軽く食べ、試合後にはしっかりと食事を摂るようにしています。クラブからは、試合や練習後に消費したものをすぐに補うと力になるから、タンパク質、糖質、ビタミンをバランスよく摂るように言われており、それを守っています。
食事に気をつけるようになったのも、2年前の失敗を経験したから。直毅くんはある試合の前に、「カンノーロ」というリコッタチーズにたっぷりの砂糖が入ったシチリアの甘いお菓子を食べました。お腹いっぱいになるし、甘いからエネルギーになるだろうと思ったのですが、試合中、急にお腹が痛くなり、走れなくなってしまったのです。以後、試合前に消化が悪いものは食べないようにしています。
食事はまず野菜から
優佳里ちゃんは、新体操のブルガリア強化合宿に参加したときに、食べる順番を学びました。最初に野菜を食べてからタンパク質、最後にご飯(パン、パスタ)というものです。
優佳里ちゃんは自宅での夕食の際、ミニトマトやニンジンサラダをたくさん食べた後、肉や魚、ご飯、パスタを食べています。ゆで野菜などの付け合わせも摂っています。野菜から食べているので、炭水化物を食べ過ぎることがありません。家族みんなで食卓を囲みながら、自分のスタイルで食事を摂っています。
野菜ペーストを作り置き
油谷家では、オリジナルの野菜ペーストを手作りしています。野菜のうま味がしっかりと入ったペーストで、塩がたっぷり入っているため、冷蔵庫で1カ月は保存できます。
使う野菜によって色目が変わり、野菜そのものの水分と加える水の量によって、固さも変わります。添加物なしのコンソメの素のような感じで、色々なお料理に活用でき、調理の際、塩の代わりにこれを加えて炒めたり、肉に付けて焼いたりします。
これがジュニアアスリートのいるイタリア家庭の食事スタイルです。野菜ペーストはぜひ皆さんも、参考にしてみてください。
<野菜ペースト>
■材料
野菜…約500g(ニンジン、セロリ、タマネギ、ニンニクピーマン、ボウレン草、ズッキーニ、トマトなど)
イタリアの粗塩…160g(日本の料理用の塩の場合は少し少なめで150g)
水…少々
■作り方
①すべて野菜を小口切りにして、焦げない程度に水を加え、塩と一緒に弱火で煮る。
②約30分煮込み、とろとろになるまで混ぜる(ハンドプロセッサーがあると便利ですが、普通のミキサーでもOK)。
※お好みでバジル、ローズマリーなどの香草を入れると香りが加わります
※使った野菜によって色は変わります。
【パルマ在住・西村明美イタリア通信員】