先日、娘が中学校の部活動の引退を迎えました。きっと節目を迎えた多くの中高生が、先輩たちから引き継いだバトンを次の代へ託す時期を迎えているのではないかと思います。

 娘は中学校に入学してから、剣道部に所属していました。娘の同級生は皆、全くの初心者だったので、竹刀を握る手のまめの痛さから始まり、防具から外れて打たれたところの青アザなど、大小さまざまな傷が絶えない毎日でした。

 ほぼ毎日の練習で、中学校の生活に慣れていない最初の頃は、ヘトヘトで帰宅すると食事もそこそこに、そのまま朝まで寝入ってしまうことも多くありました。多感な時期の中学生。感情的にも難しいことはたくさんありました。そんな初心者だった子どもたちが、メキメキと腕を上げ、わずか1年で県の強化指定校になるほどに力をつけていく様子は圧巻でした。

部活中

 約2年半。毎日当たり前に打ち込んできたそれぞれの一打一打が見られなくなってしまうことが、親としてもこんなに寂しくなるとは、娘が部活を始めた頃は想像もしていませんでした。子どもたちの傾けてきた部活への思い。部員の数だけ、さまざまなドラマが日本のあちこちで繰り広げられていると思うと、それだけで胸が熱くなります。

 パティシエの友人が、サッカー部の子どもたちにユニホームをかたどったクッキーを作っていたところからヒントをもらい、今回は部活の思い出をこめてアニバーサリークッキーを焼いてみました。

 表面の絵はアイシングで描いています。まだ暑い日もある今の時期は、火を通さない生の卵白が衛生面で不安だったので、今回は市販のアイシングパウダーに着色して使用しました。黒い色はベースの白のアイシングをブラックココアで着色しています。ブラックココアはココアパウダーをアルカリ処理している真っ黒なパウダーで、真っ黒に色付けすることができます。私はパン生地に顔を描いたり、真っ黒なお菓子を作るときに使っています。

 部活動の引退を迎えたみなさん。今までお疲れさまでした。一緒に応援できた時間は、親にとってもかけがえのない時間でした。たくさんの感動をありがとう。

クッキーが冷めてからアイシングで絵を描きます
クッキーが冷めてからアイシングで絵を描きます

<アイシングクッキー>
調理時間:30分(生地を冷やす時間は含まない)
材料:作りやすい分量
薄力粉…200~220g
バター…100g
砂糖…70g
卵…1個
アイシングパウダー、ブラックココア、アイシングカラー…各適量

作り方
①室温に置き、柔らかくしたバターに砂糖を加え、すり混ぜる。
②溶き卵を数回に分けて①に加え、その都度よく馴染むように混ぜる。
③②にふるった薄力粉を200g加え、よく混ぜる。生地がベタつくようなら残りの粉を様子を見ながら加え、ひとつにまとめ、冷蔵庫で2時間程度冷やす。
④薄く伸ばして型で抜き、170℃のオーブンで15分程度焼く。
⑤アイシングパウダーに水を少なめに加え、よく混ぜる。固さを見ながら調整し、好みの色に着色する。
⑥クッキーがひと肌程度に冷めたら、アイシングで好みの絵を描く。

稲葉祐紀子(神奈川県藤沢市在住)

教員。
食事を通して、心身ともに家族の健康維持をサポートしたいと願うママ。子供たちが取り組む競技は、中学3年生の女子は剣道、ライフセービング、小学3年生の男子はサッカー、ライフセービング。