<ママ特派員・サポーターから>
息子が所属しているリトルシニアリーグは、弱小の上に上級生は2人、同学年が8人、下級生が1人と人数もぎりぎりです。これまでも、体を大きくしようとお母さんたちが練習時に料理を持ち寄るなどして努力を続けてきましたが(「母たちが持ち寄り料理で後押し、『同じ釜の飯』で団結力アップ」)、まだまだ体が小さく、悩みは尽きませんでした。
練習時のお弁当はこれまで2リットルサイズの容器で用意。プラス補食として、おにぎりなどを4個ぐらい持たせていました。ところが我が子もそうですが、数人は2リットルの弁当箱を前に箸が進んでいませんでした。食事が辛くなり、チームをやめてしまった子もいました。
せっかく野球がやりたくて入ったのに、それでは本末転倒です。そこで、監督、指導陣と相談し、やり方を変えることにしました。
まず、2リットルの弁当箱をやめ、1リットルサイズ3個に分割してみました。見た目のプレッシャーを軽減し、自分で考えながら食べることを試してみたところ、なんと2リットルの弁当箱の時よりも食べる量が増えたのです。
次に疑問に思ったのは、食事中の無言です。完食しなくては! という思いが先行し、子どもたちはチームメイトとおしゃべりすることもなく、黙々と食べていました。それでは楽しい食事ではありません。食事も練習の一部とは言え、これではいかがなものか? と思っていました。
そんな中、大差で負けてしまった試合がありました。技術の未熟さもさることながら、チームワークがあれば取れたアウトもたくさんあったように思いました。チームワークを高めるにはどうしたらよいかと考えたとき、食事をみんなで楽しく摂ることができたら少しは変わるのではないかと思いつきました。
さっそくチームメイトのお母さんたちに相談したところ、カレーならさまざまな味を混ぜるとおいしくなるはずと、次の土曜日に各家庭からカレーを持ち寄って全員で食べようということになりました。家の中で一番大きい鍋にカレーを作り、トッピングもそれぞれが用意して豪華なランチタイムに。無言だった子どもたちも、笑顔で楽しい食事になりました。
「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますが、子どもたちが団体競技の選手である以上、私は大切なことだと思っています。そういう時間を過ごすことで、チームワークに結びつくのではないかと考えています。
一人だけで食育をしても、チームワークには結びつきません。必ずしも手作りでなくても、みんなでご飯を食べに行くことでもいいと思います。いつでも相談にのり、協力してくれるお母さんたちがいて、理解してくれるチームであることをとても有り難く思っています。
チームとしてはまだまだですが、いずれ高校球児になった時に、ケガをしない、大きな体になっているように、チームのお母さんたちと協力しながら食育を続けていきたいと思います。
<伊藤家特製・ナスとひき肉のカレー>
◆材料:作りやすい分量
ひき肉…300g
ニンニク…2片
ショウガ…30g
ナス…10個
ズッキーニ…1本
トマト…2個
タマネギ…2個
高野豆腐(戻して刻む)…100g
カレー粉…適量
トマトケチャップ…適量
ウスターソース…適量
しょうゆ…適量
生クリーム…適量
◆作り方
①タマネギ、ニンニク、ショウガをみじん切りにする。
②ナスは薄い半月切りにする。トマト、ズッキーニはサイコロ状に切る。
③タマネギを透き通るまで炒め、ひき肉、ニンニク、ショウガを加える。ニンニクの香りがしてきたらナス、ズッキーニ、トマトを加え、炒め合わせる。
④軽く火が通ってきたら刻んだ高野豆腐と水適量を入れて煮立て、あくを取り、焦げないように混ぜながら15分ほど煮る。
⑤カレー粉を入れ、なじんだらケチャップ、ソース、しょうゆを隠し味に加え、仕上げに生クリームを加えてまろやかさが出たらできあがり。
・栄養士。
・食品会社の栄養士として勤務。同時に中学生女子硬式野球クラブチームの栄養士として、ユース選手の食事を栄養面でサポート中。
・ソフトボールの経験がある大学2年生の長女、女子硬式野球部に所属する高校3年生の次女、リトルリーグ硬式野球部に所属する中学2年生の長男のママ。