<ママ特派員・サポーターから>
ママ特派員の永田綾子さんは、スポーツ栄養コンディショニングアドバイザー1級認定講師の資格を取得したことをきっかけに、この春サッカーチームで栄養講習を行ったそうです。
体は食べたものでできている
春休みの1日、知り合いがいる茨城県のNPO法人ヴェレン大洗SVで、栄養講習会を行いました。
チーム名の「ヴェレン」とは、ドイツ語で「次々と押し寄せる波」のこと。「人材循環」を最大の目標とし、地域みんなで子どもを育て、それぞれ羽ばたいていってもまた戻って次の世代を育ててほしい、という長期的な視点をもって育成を考えているチームです。
今回は、選手と保護者にそれぞれ90分ずつの講習を行いました。選手は小学5年生から中学3年生までの子どもたち。まずは食に興味をもってもらうことを第一に、朝食がなぜ大事なのかについてまず話しました。
質問してみると、朝食を摂らない子が数人いました。また、食べている量にも個人差があり、食べることが苦手な子には、朝食は特に苦痛なようでした。
朝食に限らず、たくさん食べないといけないよ、残したらいけないよ、という声がけはプレッシャーになります。食べたものがしっかり吸収されるように意識して食べることが大切だと伝えました。
また、おやつの時間や練習前後は体を大きくする、強くするチャンスタイムだと伝え、砂糖たっぷりの飲み物やお菓子ではなく、体の材料となる補食を摂ってほしいと話しました。食べちゃだめ! では、親子ともにストレスがたまってしまいます。食べ過ぎるとどうなるかを知ることで、これからの自分の食事を考える大きな力になると思っています。
子どもたちなりに、体を大きくしたい、強くしたいという思いがあるのだと思います。一生懸命に話を聞き、線を引いたりメモを取る姿に頼もしさを感じました。
サッカーを頑張る子どもの親として
保護者の方々へは、私が日頃食事を作るにあたって工夫していることを交えながら話をしました。
まずは調理工程も調味料もシンプルにすることです。調理工程をシンプルにすることは、時短につながります。また調味料は、パッケージデザインや体によさそうというイメージだけで選ぶのではなく、原材料の欄をぜひ確認してほしいと伝えました。余計な添加物が入らない素材と基本の調味料を使えば、ただ焼くだけでもおいしくなります。
もう1つは乾物をうまく利用すること。普段の食事に「ちょい足し」できるように、パプリカパウダー、かつお節、干しエビ、きな粉、ゴマ、海藻類などを常備しています。炒め物や納豆、豆腐などにパッと振りかけるだけで、見た目も華やぎ、栄養価もアップします。
我が家の3人の子どもたちもサッカーを頑張っています。この春から長男が中学生になり、小学生、幼稚園児と生活サイクルが変わって、食べる時間も量もバラバラになってきました。日々の限られた時間の中で、いかに工夫をしながらサポートしていくかというテーマには共感が得られ、会場からも質問が次々と出されて、同じ保護者同士の悩みの共有にもつながりました。
講習会後に小学生と幼稚園生の練習を見学させてもらうと、自然に囲まれた広大な土地でのびのびとサッカーを楽しんでいました。その姿からはパワーをもらうとともに、スポーツに元気よく取り組めるよう、食を通じた体作りで力になりたいという気持ちを新たにしました。
体によい食事を作りたい。それは皆さん共通していると思います。情報があふれている今、何からしたらよいか悩むこともありますが、完璧に頑張ろうとせず、自分なりのルールの中で楽しみながら取り組むことが大事なのではないかと考えています。今後も引き続きチームと関わりながら、選手も保護者のみなさんも応援していきたいと思います。
【ママ特派員=東京都在住・永田綾子】