<ママ特派員・サポーターから>

 順調に成長していると思っていた息子が、中学2年生のとき突然体調不良に。食事で改善することを目指した、体験レポートの2回目です。

それぞれが努力、継続が大事

 医師に食事の見直しを勧められてから、実際に息子と私がどのようなことに取り組んだのかを紹介します。

<息子の取り組み>
◆水分摂取の徹底
スポーツをする時以外でも、朝コップ1杯、入浴前後に各1杯、寝る前にも1杯の水を飲む。

◆朝と晩に必ず食べる
冷蔵庫から自分で「ヨーグルト」「納豆」「豆腐」を取り出して食べる。

<母の取り組み>
◆「まごわやさしい」を意識した食事作り
 私が作る食事で何が足りなかったかを考えると、「ビタミン」「ミネラル」でした。糖質、タンパク質、脂質は意識しなくても摂れますが、ビタミン、ミネラルは意識を持たないと不足しがちになってしまいます。

 それが結果的に、息子の体調不良につながったのではないかと思います。栄養もチームワークで、単体ではいい働きをしないことも勉強してわかりました。そこで「まごわやさしい」食材を取り入れるよう心がけることにしました。

◆調味料と常備品の見直し
 気になることの一つに添加物があります。勉強する前は、インスタントなどの手軽な調味料や冷凍食品を気にせずに使っていました。私も仕事をしていることもあり、時短になる、便利と活用していました。

 これらを急に変えるのは難しいことです。意識を高く持ちすぎて、ストレスがたまるようでは長続きしないと考え、ゆるい“マイルール”を作りました。

マイルール①
 インスタント、レトルト、冷凍食品は買い置きしない。どうしてもの時だけ使う。

冷凍食品も手作りに。左上から時計回りに、ミックスキノコ、大根葉と細ネギ、チキンボール
冷凍食品も手作りに。左上から時計回りに、ミックスキノコ、大根葉と細ネギ、チキンボール

マイルール②
 調味料は本物を使い、ドレッシングは手作りする。

愛用の調味料と常備食品。高野豆腐は細切りタイプが使いやすい
愛用の調味料と常備食品。高野豆腐は細切りタイプが使いやすい

白梅酢と赤梅酢は1年を通して常備。ご飯に混ぜたり、あえ物の味付けなどに
白梅酢と赤梅酢は1年を通して常備。ご飯に混ぜたり、あえ物の味付けなどに

マイルール③
 息子の補食はなるべくおにぎりにし、具材とふりかけを手作りする。

手作りふりかけの材料。梅塩は梅酢から作られる天然塩で、おにぎりにも重宝
手作りふりかけの材料。梅塩は梅酢から作られる天然塩で、おにぎりにも重宝

作り置きおにぎりの具。左上から時計回りに、じゃこ、アミエビ、白ゴマのふりかけ、だしがらの佃煮、肉みそ、サケの塩麹漬け
作り置きおにぎりの具。左上から時計回りに、じゃこ、アミエビ、白ゴマのふりかけ、だしがらの佃煮、肉みそ、サケの塩麹漬け

マイルール④
 菓子パンとファストフードは食べない。これは息子が自分で決めました。

 これらを意識し始めて、効果を感じるようになったのは1カ月を過ぎた頃からです。3カ月後になると、息子は体調不良で倒れることもなくなり、無事にチームで海外遠征にも行くことができました。

体調不良を克服し、チームのパリ遠征に参加することができました(左)
体調不良を克服し、チームのパリ遠征に参加することができました(左)

 その後も風邪ひとつひかず、インフルエンザにもかからず、高校3年までサッカーをやり通しました。

 部活を引退後、仲間と久しぶりにファストフード店に出かけたそうです。やっぱりどこか我慢はしていたらしく、ワクワクして食べたそうですが・・・

 息子いわく「あんなに食べたかったのに、いざ食べたらおいしくなくて胃もたれしたよ」とのことでした。

 この話を読んで、私が意識高く完璧な母親だと思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、安心してください。先にも書いたとおり、マイルール以外はゆるくしています。「まごわやさしい」食材も、毎食完璧にではなく、3日以内にそろえばよしとしています。

 知識を持って意識すれば、後から補うことも可能です。怖いのは、知らないままで手抜きが当たり前になることだと思っています。

 私はこの経験をきっかけにスポーツ栄養を学び、今では地元で選手や保護者を対象に、知識を広める活動をしています。

 体は食べたもので作られます。そして、食べるもので体は変わります。

 しっかり食べて強い体を作り、最後までやり遂げれば、結果はどうであれ後悔を残した終わり方にはならないはず。それが今、競技生活を終えた息子をもつ母親として、皆さんにお伝えしたいことです。

部活引退後、撮りためた写真をアルバムにしました
部活引退後、撮りためた写真をアルバムにしました

【ママ特派員=福岡県在住・熊岡真理】