<固まる科学・下>

 皆さん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)の「みせす」こと金子浩子です。前回のコラムでお伝えした「固まる科学」について理解していただけましたか? 今回は寒天を使ったデザートの作り方を2種類紹介します。

天草から!寒天ゼリーの作り方

<材料>
・寒天液=100cc(寒天液の素から作る場合はAを参照。粉寒天を使う場合は粉寒天1g、水100ccで煮溶かしたもの)
・フルーツ缶=1缶
・缶詰のシロップ=100cc

A.寒天液の素
・天草=25g
・水=1000cc
・酢=大さじ1

<寒天液の作り方>
1.天草を水でよく洗っておく。
2.水と酢を入れた鍋に天草を入れて沸騰させる。
3.沸騰したら弱火でコトコト煮込む(40分~1時間)。
4.ざるでこして出来上がり。

<寒天ゼリーの作り方>
1.寒天液を100ccとり、缶詰のシロップを100cc入れる。
2. スプーンでよく混ぜてからフルーツなどを入れる。
3. 冷やし固めて出来上がり。

水ようかんの作り方

<材料>
・粉寒天=2g
・水=200cc
・こしあん(砂糖入り)=200g
・塩=ひとつかみ

<作り方>
1.粉寒天と水を鍋に入れて火をつけながら沸騰させる。
2.あんこと塩を入れて再度沸騰するまでよくかき混ぜる。
3.プラスチック保存容器などに入れて冷やし固める。
4.固まったらできあがり。

硬さの参考(ジュース300ccに対して)

・粉寒天1g=ゼラチンのようなやわらかい食感。
・粉寒天2g=つるんと食感に。
・粉寒天3g=しっかりめ硬めの食感。型抜きが楽しめる硬さ。

ところてん

 「天草から!寒天ゼリー」のレシピで、シロップやフルーツを入れずに寒天液を固めれば、ところてんのベースになります。それを天付き棒で突いて取り出せば出来上がりです。酢じょうゆ、からしじょうゆ、三杯酢と一緒に“おかず”として食べる文化(関東圏)もあれば、黒蜜ときな粉と合わせて“おやつ”として食べる文化(関西圏)もあるようです。

海藻使った和菓子も「世界遺産」支える

 色とりどりの涼やかな夏の和菓子「錦玉(きんぎょく)」や「水ようかん」。宝箱のような「琥珀糖」。見た目涼やかで、ひやっとした口当たりの和菓子も、寒天を使ってできています。海の幸である海藻を加工して取り入れてきた自然の尊重の精神は、和食文化がユネスコ無形文化遺産に登録された1つの理由。和食の良さを感じるためにも今年の夏はぜひ、寒天を使ったお菓子作りに挑戦してみてください。