<ママ特派員・サポーターから>
現在高校2年生の息子は、ラグビー部に所属しています。中学まではサッカーをしていましたが、高校でラグビーに転向。日々頑張って練習に取り組んでいましたが、2年生になってすぐ、左肩を脱臼してしまいました。
ケガをした日は、雨が降っていました。練習試合で相手からタックルを受け、倒れた際に肩に激しい痛みを感じたそうです。人生初の脱臼でした。
1年前にラグビーを始めてから、母として協力できることは体を大きくするための食事作りだと思い、セミナーに参加して勉強したり、試行錯誤を重ねて順調に増量してきた矢先のケガでした。
手術をすると復帰まで約半年もの時間がかかります。今シーズンはプレーできないのか、手術や治療はどうするのかと、絵にかいたような「オロオロする母」になっていました。
ところが、ケガについてドクターから一通り説明を受けると、息子は何の迷いもなくきっぱりと言いました。
「今シーズンは諦めます。早く手術して早く復帰したいです。今日、手術の日にちを決めたいのでお願いします」
脱臼の場合、まずは手術をするかしないか、手術するならいつにするのかなどをドクターと相談して決めます。しかし、思い悩んでいたのは親だけで、本人はすでに決めていたのです。
ありがたいことに息子は、ラグビー部の先輩から脱臼、手術、リハビリなどについてアドバイスをもらっていました。甘やかして育てた次男坊なので、頼りなげで常々心配していましたが、ドクターと話す息子の横顔はずいぶん大人っぽく見えました。
仲間の支えでイベントにも参加
息子の場合、損傷がひどかったのと、今後もスポーツをするということから、内視鏡ではなく切開し、ボルト2本を入れる大手術となりました。全身麻酔だったため、術後の痛みは強かったようですが、その後は順調に回復しています。
手術を急いでいたのは早く復帰したいということの他にも理由がありました。手術の2週間後の7月末に修学旅行、さらに2週間後の8月半ばにはラグビー部の夏合宿が控えていたのです。
息子は「どちらもなんとしても行きたい」とゆずりませんでした。しかし、自分の荷物を運ぶのも大変ですし、洋服の着替えも1人ではままならない状態です。悩んだ末、息子には内緒でラグビー部のお母さんたちに相談すると「修学旅行も合宿も、子どもたちがサポートするから大丈夫! 行けるよ!」と心強い言葉をいただき、胸が熱くなりました。
先生方にもお願いし、息子は無事、夏の大きなイベントに参加することができました。助けてくださった皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
息子は今、1日も早い復帰を目指してリハビリをしています。ケガをして手術となり、練習も試合も出来ない日々は残念でしたが、息子にとっては多くの学びがあっただろうと思います。
練習が出来ない間は、体脂肪が増え過ぎないように食事も調整しています。息子の挑戦に、これからも手探りしながら寄り添って行こうと気持ちを新たにしています。
【ママ特派員=東京都在住・松田直美】