<ママ特派員・サポーターから>
今月からママ特派員に加わった、アスリートフードマイスター3級の資格を持つ高木夕佳子さんのレポートです。
「煮干し」で手軽に薬膳を実践
私はアスリート向けの料理教室の講師をしています。心と体を強くするための食事に、薬膳の考え方を積極的に取り入れています。
薬膳には、不調のある箇所と同じ部位を食して改善しようとする、「同物同治(どうぶつどうち)」という考え方があります。内臓の調子が悪い時にはビタミンや鉄補給に優れるレバーやホルモンを、関節の具合が悪い時にはコラーゲンたっぷりの鶏の手羽を食べるなど、改善に役に立つ栄養素が豊富に含まれているからだと考えられます。
また、ひとつの食材を丸ごと食べる「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考え方は、その食物本来の生命力を取り入れることができるというもので、魚なら一匹丸ごと、野菜なら葉から根まで皮もむかずに食すのが理想とされています。
「身土不二(しんどふじ)」は、体と土地(住んでいる環境)は切っても切り離せないというもの。地元でとれたものを食すことで、体は自然と整うと考えられています。地元の旬の食材は鮮度や栄養価にも優れ、お財布にも優しいですよね。
これらの考え方を手軽に取り入れるのにおすすめなのは、煮干しでだしを取ったみそ汁です。煮干しは普通、頭とはらわたを取り除いてだしを取りますが、できるだけ近くの海でとれた(身土不二)新鮮な煮干しなら、とらなくても苦味は気になりません。一匹丸ごと使うことで、「同物同治」も「一物全体」も簡単に実践できます。
水にパラパラと煮干しを入れて火にかけ、沸騰したら具材を入れ、やわらかく煮えたらみそを溶き入れて出来上がり。丸ごとの煮干しは簡単に箸で取り除けますし、気にならなければそのまま食べて、カルシウムやタンパク質を摂取できます。
インスタントや粉末だしさながらの手軽さでできますので、毎日の食卓にぜひ取り入れてみてくださいね。
【ママ特派員=兵庫県在住・高木夕佳子】