<アスレシピ特派員紹介>
特派員、認定アンバサダーとして、毎月多彩なレポートを寄せてくださっている兵庫県在住の妻鹿直美さん。ピアノ講師をしながら、アスリートフードマイスターなどの資格を生かし、中学硬式野球チームの栄養指導を行っています。
現在も野球を続ける3人の息子さんは社会人と大学生。フィギュアスケート選手の高校生の娘さんを加えた、4人のお子さんのお母さんでもあります。今回はスポーツ栄養を学んだきっかけや、子育てを通じて感じたことなどをうかがいました。
体重だけではない、ケガにも強い体にするために
スポーツ栄養を志したのは、次男が中1の時、腰を痛めたことがきっかけでした。
「その頃は、とにかく体を大きくしようとたくさんの食事を摂らせていました。しかし、体重は順調に増えたものの調子は上がらず、そのうち腰を痛めてしまったのです。3か月は野球ができない状態でした」
原因は急激に体重を増やしたこと。時を同じくして三男も、大きな大会を前に骨折したりと、ケガが多くなっていました。
「やはり体を大きくするだけではダメなんだ。ケガにも強い体を作らないと」
私が頑張るべきなのはそこだ。そう感じたそうです。
一方で、娘さんはフィギュアスケートを始めていました。体を大きくしたい球児と体重管理が必要なフィギュアスケーター。正反対の体作りが始まりました。
冷え対策にニンニクやショウガ、疲労回復にタコ
3人の息子さんたちはすでに家を出て、現在は娘さんのサポートが中心。お話をうかがった日、娘さんは午前から夜まで練習があり、リンクに詰めていました。妻鹿さんは、お弁当持参で待機です。
娘さんの食事で気をつけていることは。
「長い練習時間にスタミナが持つよう、練習前・間・後で食べるものを変えています。スケートリンクは寒いので、体の中から温めるニンニクやショウガを使ったり、温かいスープを持たせたり。スマホやフォームチェックで動画を見る時間も長いので、最近は眼精疲労対策にタコもよく使っています」。
チームへの栄養指導はLINEを活用
中学硬式野球の神戸中央リトルシニアでは、資格を生かして栄養指導を担当しています。3人の息子さんが所属した縁から事務局として関わるようになり、現在もサポートを続けています。
例年、新中学1年の保護者向けにスポーツ栄養の基本講座を行っていましたが、コロナ禍で開催できなかった今年は、グループLINEを利用して定期的に情報を配信。質問にも個別に対応しています。
今の頑張りが次世代へとつながっていく
仕事を持つ保護者も多い中、栄養面まで考えるのは大変という声も聞こえてきます。そんな皆さんに伝えたいことは。
「自分の子育てを振り返ってみると、小さい頃から一緒に食事に取り組んできたことで、子ども自身が学んで身につけてくれたことがとても多いと感じます。子どもが大きくなり、家を離れた時、自分で自分の体や食事を管理できるようになっている。そしていずれ親になったら、子どもにその知識を伝えることができる。今お母さんたちが頑張ることで、そんなつながりが生まれていくと思います。ぜひ楽しんで、お子さんと一緒に取り組んでもらえたらと思います」。
1人暮らしをする息子さんたちからも、時々連絡が入ります。初めのうちは外食に頼ることもあったようですが、調子の悪さや体重の増え方の変化を実感し、気をつけて食べるようになっていったそうです。
「こんな時は何を食べたらいいの? と聞かれると、ちゃんと考えてくれているんだなと嬉しくなります。忙しい時には無理して作れと言わず、スーパーやコンビニでこんな商品を選ぶといいよとアドバイスすることも。続けていけることが第一ですからね」。
無理なく、できることを一つずつ。子どもたちの未来のために今日も頑張ろう。そんな気持ちになったひと時でした。【アスレシピ編集部】