<アスレシピ特派員紹介>
宮崎県在住の川越彩子さんは、ライフワークとしてコンテンポラリーダンスを続ける傍ら、地域の食を応援するさまざまな活動をしています。一度故郷を離れたことが、食の豊かさに気付くきっかけだったと話します。【聞き手=アスレシピ編集部】
離れて気付いた故郷の豊かさ
決まった形がなく、感じるままに自由に踊るコンテンポラリーダンス。川越さんは若い頃からこのジャンルに魅力を感じ、これまで続けてきました。ダンサーとして踊るだけでなく、振付師としても活動しています。
「コンテンポラリーダンスは、体ひとつで表現できるところが魅力です。ただ、始めた当初は身近にやっている人も少なく、学べる環境も近くにはありませんでした。雑誌や映像などで情報収集していましたが、いつしか本格的に学びたいという思いが強くなり、30代で東京へ。好きな先生についたり、多くの仲間と交流したりと充実した日々を送りました」。
楽しかった東京生活でしたが、しばらくして故郷に戻ることに。
「上京前には感じていませんでしたが、一度離れて故郷に戻ると『あれ、野菜ってこんなにおいしかったかしら』と気づいたんです。周りを見渡してみれば、海も山もある宮崎には、おいしいものがたくさんありました。せっかく地元に戻るなら食に関わる仕事がしたいと、全く違う分野から方向転換したんです」。
現在は、宮崎県の食品官能評価パネリストや加工技術アドバイザーを務めています。
「官能評価パネリストとは、適切にコントロールされた条件下で、食品の味や見た目などを評価し、言語化するもので、県で抱えているのは珍しいそうです。加工技術アドバイザーとしては、6次化を目指す農業者向けに、加工品作りに必要な手続きや作業に関するアドバイスなどを行っています」。
また、地元のウエブサイトにも定期的に記事を書いています。
「県内に新しくオープンした食関連のショップや食品メーカーなどを取材して、情報発信しています。食に関する情報には反響も大きいんですよ」。
自分の健康のためにも食を大切に
食の分野へ舵を切ったのには、もうひとつ理由がありました。
「今ではダンス界でも食事に気をつける人が増えていますが、かつては食事に興味がない人も多くいました。衣装が似合うスタイルを維持するため、極端な食事制限をして、若くして辞めざるを得なくなった人もたくさん見てきました。ダンスに限らず、スポーツをやっている皆さんには、絶対に食事に気をつけた方がいいと伝えたい。見た目が良くても、後々影響が出ては困りますからね」。
地元食材のおいしさを伝える料理教室も開いていました。
「地元の旬の食材を中心に使い、世界の料理を作るというコンセプトで行っていました。実際に行ったことがある場所だけではなく、宮崎に暮らす外国の方に協力いただいたことも。和気あいあいと話しながらをモットーに開催していましたので、コロナ禍以降、2年ほど休止しています。早く再開できるといいなと思っています」。
アスレシピに投稿するレシピは、身近にある材料で手軽に作れることを大切にしています。
「お子さんのいる方は毎日忙しいと思いますが、時間がないとか、自分はお腹がすいていないなどの理由で、食事をおろそかにしてほしくないと思っています。食事はご自分も含め、家族の健康を守るためにはとても大切。新鮮な食材はシンプルな調理で十分おいしくいただけます。今は骨取り済みのお魚など便利な商品も豊富ですし、そういったアイテムや私の簡単レシピをどんどん活用して、食卓を豊かにしてほしいなと思っています」。
最後に、体を動かすことの楽しさも教えていただきました。
「最近は地元にもコンテンポラリーダンスをする仲間が見つかり、一緒に活動しています。先日には私が広報を担当する博物館でお菓子作りのワークショップがあり、でき上がるまでの待ち時間を利用して、皆でダンスを踊りました。普段はやったことがない人も、見るだけではなく一緒に踊ることで気分転換になります。この記事を見てくださった皆さんも、ぜひ体を動かす気持ち良さを体験してみてほしいです」。
川越さんのレシピも掲載「アスリートレシピ」
アスレシピでは、スポーツに励むお子さんや家族を食で支える特派員・サポーター考案のレシピをまとめた「成長期の子どものためのアスリートレシピ」を発行しています。
サイトで紹介してきたたくさんのレシピから、今回は主食・お弁当・補食の100品を厳選。川越さん考案の「3種の砂糖でコクうまいなり」も掲載されています。各家庭でスポーツを頑張る子どもたちに作られてきた料理の数々を、皆さまの毎日にもぜひお役立てください。プリントオンデマンド(POD)と電子書籍があります。