私は自宅で、料理教室とジュニアアスリートのお母さん向け食事学の講座を開催しています。2021年には1年間かけて、「ジュニアアスリート向けのごはん」を一緒に作って自宅に持ち帰り、お子さんと一緒に食べていただく会を開催しました。
アスリートの食事については、アスレシピのコラムをはじめ、書籍やYouTube、民間資格など、多くの情報があります。しかし、いざ食事を作ろうとすると「何を作ればいいんだろう?」と悩んでしまうことが多いという声を聞きました。「それならば一緒に作ったらいいのでは?」と考えたのが、この企画のきっかけです。
試合前、試合後、練習で走り込みが多い時期、筋力をつけたい時など5つのテーマに分け、座学とそれらに沿った主菜作りをします。同じような年齢のお子さんを持つお母さん方が集まるので、悩みも似ており、情報交換が出来る場にもなりました。
集まった方々は、仕事を持ち、週末は朝からグラウンドや競技場へ出かけるという忙しい皆さん。「子どもの体作りを頑張りたい」という気持ちを大切に、難しいことはせず、作り置きも冷凍も出来るメニューをお伝えすると、「ジュニアアスリートの体作りって、もっと難しいかと思っていた!」と拍子抜けしたようでした。
続けていくうちに、お子さんの体もがっしりとしてきて、背も伸びたそうです。なかなか量を食べられないと悩むご家庭では、親子でのバトルもあったようですが、お子さん自身が自分でもわかるくらい体が出来てくると、自然と頑張って食べてくれるようになったと話してくれました。
お子さんたちからも直接、「先生のところで作ってきた料理がおいしかったから、お母さんにまた作ってもらいました」「ご飯を食べるのが苦痛じゃなくなりました。もっと食べて頑張ります!」という声をいただき、感動したことも私の良い経験になりました。この春から最終学年となるお子さんたち。引退までケガのないように、しっかり頑張ってほしいと思います。
このようにさまざまな形で、ジュニアアスリートへのサポートが広まっていくといいなと思っています。
【アスレシピ特派員=東京都在住・阿部優】