太陽がさんさんと降り注ぎ、木々が青々と生い茂る夏は、自然界も生命力に溢れています。そんな時期には、私たち人間の体も大きく成長すると言われています。

夏の練習風景
夏の練習風景

夏休みが明け、久しぶりにチームメイトに会うと、グンと大きくなっていて驚くことがあります。夏休みにゆっくり休息がとれたことに加え、季節の恩恵を受けた結果もあるかもしれません。

そんな夏休みは周りのライバルに差をつけるチャンス! 今回は、この夏に親子で取り組んでいる食事の工夫を紹介します。

成長とパフォーマンスの両立を目指す

息子の食トレを始め、停滞期を乗り越えてからは、比較的順調に体が大きくなっていました。しかしその一方で、今までのパフォーマンスができないことも増えてきました。

試合でバテないようにとエネルギー量を増やせば、動けるようにはなりますが、当然体重も増えます。また、フィジカルを強くしたければタンパク質を多くとる必要がありますが、とりすぎはマイナスにもなります。

懸念していたケガがぐんと減り、体も大きくなってきた一方で、ポジションによって求められる動きができなくなっていたのです。ここでも「我が子にとってのベスト」を観察し、見極める必要性を感じました。

サッカーで言うと、

フォワードの役割は、前で点を決めること

素早く動き回るために、炭水化物が必要

センターバックの役割は、ゴールを守ること

フィジカル重視でタンパク質が必要

というように、バランスよく栄養をとることに加え、ポジションによって必要な栄養素が異なっていたのです。息子の場合、体重が増えたことで、俊敏に動き回ることが以前よりできなくなってしまっていました。

そこで、急激に体重を増やしすぎず、ベストパフォーマンスが出せるように、息子と日々会話をしながら模索しました。

夏休みに親子で取り組む3か条

週末は遠征することが多く、いつもお弁当を持って出かけています。それに加え、夏休みは昼食を家庭で用意しなくてはならず、負担も増えます。しかしそれもプラスにとらえ、我が家では今年の夏休みを「体作りの強化月間」と位置付けました。息子と相談し、以下の約束ごとを決めました。

(1)持参したお弁当類は、帰宅するまでに完食すればよい

招待大会や遠方への遠征など、一日がかりの試合の日には、おにぎりや麺類、フルーツ、ゼリーなどに加え、魚肉ソーセージやカステラ、ビーフジャーキー、凍らせた麦茶など、普段では食べきれないと思われる量を保冷バッグに入れて持たせています。

果物は、水筒用の氷が作れる保存袋を利用して冷凍しておくと、保冷剤代わりにもなり、ビタミン補給にも一役買ってくれます
果物は、水筒用の氷が作れる保存袋を利用して冷凍しておくと、保冷剤代わりにもなり、ビタミン補給にも一役買ってくれます

昼食の時間に食べきれなくても、休憩時間に補食として食べたり、帰り際におやつとして食べるなど、帰宅までに食べれば良いとしたところ、気楽に考えることが出来るようになったようで、完食して帰ってくるようになりました。普段学校に行っている時には到底食べられない量なので、日頃小食のお子さんにも良い方法かもしれません。

(2)水分は全部飲みきることを目標に

息子は普段、あまり水分をとることがありませんでした。夏は特に水分不足に気をつけるため、全て飲み干すくらいの気持ちでいるように約束しました。持参する水分の種類は、事前に息子に何種類か飲んでもらい、本人が飲みやすいというものにしました。

水分だけでは脱水症は防げないので、さらに塩分がとれるよう、一口大にカットしたスイカに少量の塩を振って凍らせ、保冷ジャーに入れて持たせています。

スイカは一口大に切り、冷凍用の保存袋に入れます
スイカは一口大に切り、冷凍用の保存袋に入れます

少量の塩を振り、袋の外側から手でもみ、平らにして冷凍します
少量の塩を振り、袋の外側から手でもみ、平らにして冷凍します

凍ったスイカをフォークなどを使って削り、冷やしておいたジャーに入れます(時間がない時はブロックのままでもOK)
凍ったスイカをフォークなどを使って削り、冷やしておいたジャーに入れます(時間がない時はブロックのままでもOK)

また、小瓶に塩を入れて持たせることも。頭痛がしてきたり、気分が悪くなったりした時に、ペロリと舐めてから水分をとらせるようにしています。

(3)栄養や体について、自分でも深く考える

小学生のうちは親のサポートが主ですが、今後は自分のこととして捉え、その必要性を実感してもらうために、ご飯を自分で盛りつけたり、コンビニエンスストアで昼食を購入する時は、自分で何を買えば良いか、深く考えてもらうようにしています。サラダチキン、サケおにぎり、スパムおにぎり、オレンジジュース、プロテインバーを少し多めに買うなど、自分で取捨選択できるようになってきました。

上記に加え、睡眠の確保やメンタル面でのサポートなど、やるべきことを挙げたらきりがありませんが、特に食事面では食べることが義務にならないよう、なるべく楽しく食べてもらうことを心がけています。

同時に、私自身も無理をしすぎて疲れないように、冷凍食品やコンビニエンスストアもどんどん活用しながら頑張っています。少しでも、皆さんの参考になれば幸いです。

【アスレシピ特派員=東京都在住・久保田美奈子】