今回は、改めて「健康な体」について考えるきっかけになったエピソードを紹介します。
日頃皆さんはお子さんのために、アスリートにとって「良い」と言われる栄養のサポートを頑張っていらっしゃると思います。
私も同じでした。そんなある日、私自身の健康診断の結果が届きました。お恥ずかしい話ですが、いくつかの数値に異常が見られました。飲酒も喫煙もせず、食生活にも気をつけているつもりで、至って健康体だと思っていたので、正直驚きました。
お医者様からはこう聞かれました。「プロテインとか飲んでる?」と。私は日常的に運動をしており、植物性ではありますがプロテインを飲む生活を送っていましたので「はい」と答えました。すると、「プロテインを控えるように」との指示。加えて、長らく毎日飲んできた牛乳も、少しだけ控えてみてと言われました。
次の検査までの間、それまでほぼ毎日摂取していたプロテインと牛乳を週2、3回に控えてみたところ、数値が下がったのです。運動をしている人には良くあることだとお医者様はおっしゃっていました。
決してプロテインが悪いということをお伝えしたいわけではありません。良かれと思って摂取していた栄養素が、いつの間にか適量を超え、かつ継続して飲み過ぎていたようです。
息子も同時期に血液検査をする機会がありましたが、同じ項目が高めとの指摘を受けました。そのことをお医者様に話したところ、息子も運動していて同じような食生活なら、少し気をつけた方が良いとアドバイスをもらいました。
親子だから体質は似ているということ、また、息子がスポーツを続けていきたいなら、なおさら今から気をつけておいた方が良いと言われ、その通りだと痛感しました。
気をつける点は主に2つです。1つ目は体の臓器に負担をかけないため、同じ栄養素を毎日のように、かつ長期的にとりすぎないようにすること。2つ目は、栄養素の適量を知るということです。やり過ぎない、頑張りすぎないことが重要です。
アスリートにとって良い栄養素をとる前に、健康な体であることが大事です。息子のためを思うばかりに、つい偏った食事になりがちでしたが、まんべんなく栄養素をとる、何か1つの食品だけを継続してとりすぎないようにするということを、再確認させてくれた出来事でした。
皆さんも、ご自身とお子さんの健康は繋がっていること、まずは健康でなければ一生懸命作った食事も効果が十分に得られないということを、頭の片隅に留めておいていただけると嬉しいです。
そんな経験をしたこともあり、以前から興味のあった薬膳の資格取得の勉強をスタートしました。
薬膳の世界では、冬は腎の養生の時期に入ります。肝心要(かんじんかなめ)という言葉があるように、肝臓と腎臓は人の体のネットワークの要となって健康を大きく左右します。寒さから身を守るために、胃腸を整えて血を巡らせ、代謝アップを目指し、腎を労る季節だと言われています。腎を補うには、黒ゴマ、黒米、黒キクラゲなどの黒い食材や、体を温める食材をとるようにします。黒い食材はポリフェノールや、抗酸化作用のある成分を含むものが多く、美容にも一役買ってくれます。
寒い日には、黒キクラゲ、キャベツ、干しエビを入れた中華スープはいかがでしょうか。キャベツは胃腸の働きを促進し、干しエビには抗酸化作用や体を温める効果があると言われています。口の中いっぱいにうま味が広がり、ほっこりと体がリセットされるようなスープです。
黒キクラゲとキャベツの中華スープ
◆材料(作りやすい分量)
黒キクラゲ…5、6個
キャベツ…2枚
干しエビ…10粒
ショウガのみじん切り…小さじ1
ニンニクのみじん切り…小さじ1
水…800ml
<調味料>
塩…小さじ1
中華スープの素…小さじ1
◆作り方
❶黒キクラゲは水に浸して戻し、干しエビは一度水洗いをしてから水に浸して戻す。
❷キャベツはざく切りにし、ショウガ、ニンニクとともに炒める。
❸水、黒キクラゲ、干しエビ、調味料を加え、味を調える。
寒さに備えて、まずは健康な体作りから始めてみませんか?
【アスレシピ特派員=東京都在住・久保田美奈子】