私は最近、薬膳アドバイザーの資格を取得し、毎日の食事作りに生かしています。
薬膳と聞くと、難しそう、特別な食材がないとできないんじゃない? と思われる方も多いかもしれません。ですが、身近な食材を使い、その季節ごとに合った食材を組み合わせることで、未病=病気になる前の段階をキャッチして、防ぐことができます。
薬膳、中医学の世界では、人間の体を構成する要素として「気・血・水」が、お互いにコントロールして助け合っていると考えられています。この中でも、「気(エネルギー)」は、日頃から「元気がない」「気力がない」「病は気から」という言葉から、皆さんも何となくイメージしやすいのではないでしょうか?
特にこの「気」は、体を動かすエネルギーを作ることから、放っておくとどんどん減っていきます。
大人であれば、元気がないな、ストレスが溜まったなと思えば、発散する方法を知っています。しかし子どもは、ストレス発散という行為を本能的には行っていても、意識して行うことは難しいかもしれません。
何だかイライラしている、元気がない、練習や試合にも身が入っていない感じ…。このような様子が見られたら、「気」が足りていないことが原因の1つかもしれません。そして、不足している「気(気力)」を補うために、体がお菓子や刺激物を欲しがり、いつの間にか習慣化して抜け出せなくなってしまうのです。
息子も年末年始にお菓子を食べる習慣が付いてしまい、なかなか止められなくなっていました。自分でお菓子を買うこともできるため、当然ながら食事の量が減りました。
最初は、なぜ食事量が減ったのだろうと不思議に思っていたのですが、こっそり買い食いしていたことが、ポケットに入っていたゴミで発覚しました。
まだ小学生。おやつを食べたい気持ちはよくわかるので、息子と話をして、おやつの食べ過ぎには気をつけること、そして何よりも、ご飯をきちんと食べることを約束しました。
しっかりと「気」を体に巡らせ、「気力、元気」を取り戻してもらうには、ご飯を食べることが1番です。
皆さんも、お子さんに元気がないなと感じた時には、遠征や試合のお弁当におにぎりとスープを作ってみてはいかがでしょうか。おにぎりの具材に冬の食材でもあるサケを選べば、内臓を温めて気を補う働きをしてくれますし、牛しぐれなどの牛肉を選べば、気を補うことに加え、情緒を安定させる効果があると言われています。
スープには、寒さから身を守り、巡りを良くすると言われるショウガやタマネギ、ネギ、エビ、ニラ、クルミ、山芋、鶏肉などをお好みで。ご飯と卵を入れて雑炊風にし、保温マグに入れて持たせれば、練習後の冷え切った体にもぴったりです。
大寒も過ぎ、季節は少しずつ春に向かっています。学年やカテゴリーが変わる前の大事なこの時期。体を整え、春に備えて準備しましょう。
【アスレシピ特派員=東京都在住・久保田美奈子】