「3大栄養素」とは炭水化物、タンパク質、脂質の3つを示し、エネルギー源として利用される栄養素です。これにビタミンと無機質(ミネラル)を加えたものを「5大栄養素」と呼んでいます。

 炭水化物は、エネルギーとして利用可能な糖質と、エネルギーにならない食物繊維に分けられます。最近、よく話題になる「糖質制限」の糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたものです。さらに糖質の中で、単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖など)と二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖など)を「糖類」として分類しています。

 タンパク質はアミノ酸の重合体(2つ以上の単量体が重合してできた化合物)で、人間の体の重要な構成成分です。

タンパク質を多く含む食材

 脂質は、脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、コレステロール、ステロイドに分類されますが、脂肪酸はさらに飽和、一価不飽和、多価不飽和脂肪酸に分けられます。炭水化物、タンパク質、脂質のエネルギーは、それぞれ1グラム当たり4、4、9キロカロリーなので、脂質のエネルギーが高いことが分かりますね。

 ビタミンは代謝を助ける補酵素であり、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kの4種類、水溶性ビタミンはビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、Cの9種類の食事摂取基準が決められています。

 無機質(ミネラル)は、骨や赤血球など人体の構成成分であり、かつ機能を維持するために重要な働きをしています。体内で作ることができないため、食事で摂る必要があります。ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素の13種類について食事摂取基準が決められています。

 それぞれの栄養素は単品ではなく、それぞれが関わりあって機能しています。栄養補助食品を利用する場合も、基本はバランスの良い食事をベースに、補助的に使用するようにしなければ効果が期待できません。【管理栄養士・今井久美】