「糖質オフ」や「ロカボ」などが話題になっていますが、本当に体に良いものなのでしょうか?
炭水化物は、エネルギーとして利用可能な糖質とエネルギーにならない食物繊維に分けられますが、糖質は主に米、小麦などの穀類や、ジャガイモなどのイモ類に含まれています。
糖質は分解されると単糖類のブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)、ガラクトースなどになり、吸収され、血液によって全身に運ばれます。これらの主な働きはエネルギー源。運動や勉強、つまり体を動かしたり、脳を使ったりするには必須のものです。
ブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲン(貯蔵エネルギー)として蓄えることはできますが、その量はわずかで数時間で使い切ってしまいます。足りなくなると、体のタンパク質や脂肪を分解し、エネルギーとして使います。これが、糖質を制限すると痩せる原理ですが、筋肉を増やし、体を大きくしたいアスリートや成長期の選手にとっては、全くの逆効果です。
糖質の摂りすぎは体脂肪を増やすため好ましくありませんが、必要量は毎日摂らないと筋肉が減り、果ては病気になることもあります。
「○○がいい」と聞くと、目的や内容をよく知らずに飛びつく人がいますが、悪影響を及ぼすこともあるので、注意しましょう。【管理栄養士・今井久美】