「今日は、カロリーをとり過ぎたね」といったように、カロリーという言葉を使うことがありますが、この「カロリー」は熱量(エネルギー)の単位であることをご存知ですか? 表記としては「cal」と書きますが、フランス語のcalorieの略で、元は「熱」を意味します。

 calの定義は「標準大気圧下、気温15℃前後で1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量」を表します。熱量の単位で使用されるJ(ジュール)に換算すると「1cal=4.184J」となります。

 食品表示で「100gあたり○○kcal」と記載されていると、「これ○○カロリーだって」と言う人が多いようですが、正しくは「キロカロリー」です。

1kcal(キロカロリー)=1000cal(カロリー)

 例えば、卵1個は約80kcalですが、これは卵の熱量は水80000g(=80ℓ)を1℃上げることができる、ということになります。

消費者庁「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」参照
消費者庁「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」参照

 食品のパッケージには、食品表示法により栄養成分表示が義務付けされていますので、ぜひパッケージをご覧下さい。栄養成分表示は、1パッケージ(1箱、1袋)あたりの熱量(エネルギー)で記載しているもの、100gあたりで記載しているものがありますので、1回に食べる量に換算する必要があります。

 「今日はカロリーをとり過ぎたね」も使い方として認められてはいますが、これからは「今日はエネルギーを○○キロカロリーもとり過ぎたね」と、より正しく使ってみませんか?【管理栄養士・今井久美】