脂質は、どれくらい摂れば良いのでしょうか?

 日本人の食事摂取基準において、1歳以上の人では摂取エネルギーの20~30%を脂質から摂ることを目標にしています。1日3000kcalを摂取する場合、そのうちの600~900kcal、量にすると67~100gを脂質で摂るのが望ましいということです。

 これらを全て料理用の油で摂るのではなく、以前のコラム「脂質は生きていくために必要な栄養素、悪者ではない」の図で示したように、約8割は見えないあぶら(食材中に含まれる油脂)で摂っていることを考慮すると、見えるあぶら(料理用の油脂、マヨネーズやドレッシング、パンに塗るバターなど)で13~20g、つまり大さじ1、2杯程度ということになります。

 筋肉を増大し、筋グリコーゲンを蓄積、回復したいアスリートの場合、タンパク質や炭水化物の摂取量の必要性が優先されます。タンパク質を多く含む食品である肉や魚、卵や大豆製品は脂質も多く含まれており、これらの摂取量が増えれば同時に脂質の摂取量も増えます。意識して食事から摂らなくても必要量は摂取できることが多いようです。

 運動種目によって望ましい体脂肪率は異なりますが、体脂肪率を減らしたい場合は、遅い時間の夕食は脂質が利用されにくく体脂肪に変わりやすいため、脂質を控えたあっさりした食事にすることが望ましいでしょう。女性の場合、体脂肪率が低すぎたり、摂取エネルギーが不足する場合、月経異常になるため、脂質の減らしすぎにも注意しましょう。【管理栄養士・今井久美】

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